お姫様は関西Jr.でした。2

▽矛盾(晴太郎side) ページ47

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あの日から。あのファンの子と一悶着あった日からももの様子がおかしくなった。


急に俺のこと避け出したし、ちょっとしたら大晴くんともおかしなってるし。なんやねんほんま。


いや嘘。ほんまは分かってる。分かるからこそ、俺がなんとかしなあかんよな。





石澤「もも」





俺がケリをつけんと。そんで背中を押してやらなあかんって分かってんねん。



ああ、なんやこの気持ち。むかつくなぁ。負け戦さかよ。





石澤「ちゃんと話そう」

「…う、うん」




気まずそうに視線をそらすももはいつから俺の気持ちに気付いてたんやろ。


鈍感やからってさすがにストレートに行きすぎたかな。まぁ、気付かれるようにやってたけどな。




石澤「なんで俺のこと避けてるん？」




これから起こるであろうことが悔しくて悔しくて、少しだけ意地悪をしてしまう俺を許してほしい。


ごめんな。でも、そんだけ好きやねん。




石澤「俺がもものこと好きやから？」

「っ！」

石澤「気付いてるやろ？」

「え、と、あの、」

石澤「好きやで。誰よりも、世界で一番好き。」




これだけは胸を張って言える。


誰よりも好きで、大切に思ってる。




石澤「俺と付き合おう？」

「つき、あう…？」

石澤「うん。でも、俺と付き合うってことは大晴くんのことはしっかりフッてもらわな困るな。あと今までみたいにくっつかれんのも嫌やな。俺ヤキモチ妬きやし」




だけど、自信がない。もものことを誰よりも好きな自信はあるのに、もものことを一番幸せにする自信がない。


ほんま不毛な恋ってやつやんな。


違う男のとなりで笑ってるのが誰より可愛いし、好きやと思ってしまうなんて。





石澤「それができんなら俺をフッて」

「え、」

石澤「俺は大丈夫やから。俺らの関係も変わらなん。仲間のまんま。あ、もちろんオッケーしてくれてもええねんけどな」



きっとこれからも、こんなにも好きになれる人になんて出会わんと思う。



だから、だからこそちゃんとこの想いと決別したい。



そうじゃなきゃもう二度と恋なんて出来ない気がする。




「はれたんは…っいつもやさしくて、ほんっまに、まもってくれて、年下やのに頼りになって、す、きやで、めっちゃすきなんっ、やけど、」

石澤「うん」

「ごめんなさい」




ありがとう、もも。



君を好きになって、良かった。



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