▼共犯者 ページ46
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待ち合わせはいつもと同じ場所。ちょっとお高いホテルの同じ部屋。
夜公演が終わって、そろそろ来る時間。
楽屋で会ったときは「今度は東京来いよ」なんて言ったのになぁ。俺たちがこんな関係やなんて誰1人として知らんやろなぁ。
「おまたせ」
「おお、早かったな」
２０歳とは思えない容姿に身体つき。
身のこなしは男なんて何人も手玉に取ってきましたって感じで、それが少し悲しくなってしまうのは罪悪感かもしれない。
「A、疲れてんの？」
「ん？なんで？」
「だって俺に連絡してくるときはキツイときやろ？」
「んふふ、そんなことないもーん」
「うそつけ」
「…ちょっと、ちょっとだけ甘えたくなっちゃった」
ぎゅーって俺に抱きついて、胸に顔を埋めるその姿はまるで子どもで、さっきまでと正反対。
やけど、顔上げた瞬間そんな気持ちは消えて無くなる。潤んだ瞳に、真っ赤な唇。ピンクの頬っぺた。
誘うように背中に回された手は、いやらしく俺の背中を撫でた。
「ほんまいつまでたっても甘えたやなぁ」
「そうさせたの誰やと思ってんの」
「はは、俺やな」
そう。全部俺が悪い。俺が始まりを作って、俺がAを一生逃げられない箱の中に押し込んだ。
だから俺はお前が望む限り側におるよ。絶対離れへんし、いつでも味方や。
あの日あの時ちゃんとしていれば、俺が大人になれてたら、Aはもっと自分を大切にできてたかもしれん。そう何度も後悔してきたけど、きっとあの日に戻っても俺は同じ選択をするだろう。
「ねぇ、みんな私から離れない？」
「当たり前やん」
「でもね、みんなねあの子がいいの。あの子のが可愛くてピュアで真っ直ぐで」
「A。俺がおるよ。俺はどこにも行かん」
「みんなそう言うの。みんなそう言って、言ったのにっ、」
みんな、それは誰のこと？
お前が本当に側にいてほしいのは誰なんやろなぁ。
「A、俺を見て。俺だけを見て」
だけどそれに気付いたところできっと何も変わらない。
だから、一生気付かなくていい。
苦しむくらいなら気付かなくていいよ。
「たかひろくん、はやく」
あれから何年も経った。
Aは２０歳になった。
何も変わらないこの関係は、誰のためのものだろうか。
＊＊＊
まさかの濱田さんです。ハタチヒロインちゃんの過去も少しずつ明かしていきます！
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彩(プロフ) - 龍太くんとの絡みが見たいです！ (2018年7月2日 20時) (
レス) id: eee4c66918 (このIDを非表示/違反報告)
ふなめろん(プロフ) - 丈一郎くんとのお話がほとんど似た内容というか表現、言葉でTwitterに載せられてますがaoiさんではないですよね(>_<)？大丈夫ですか？ (2017年6月28日 3時) (レス) id: 85cd6ef50d (このIDを非表示/違反報告)
ピンクジャスミン - お姉さんの名前が出ててビックリした。 (2017年3月31日 16時) (レス) id: e4efacc99d (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！毎回この通知がくるとワクワクします！私は主人公ちゃんがすきです！過去の話すごく気になります！ (2017年2月4日 13時) (レス) id: 0de130e4a5 (このIDを非表示/違反報告)
らびっと(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！主人公ちゃんの過去の話？(少し触れていたやつ)を回想として見たいです！ (2017年2月2日 9時) (レス) id: 20d02c6305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi
| 作成日時：2016年12月28日 19時
