La reine des Neiges…[２] (ページ48)

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それまで楽しそうに話してたはずなのに、急に静かになるAちゃん

『……』

佐「Aちゃん？」

岩「どうかした？」

『あ、ごめん…なんでもない。そろそろ戻らなきゃ…』

深「え？でも、今来たばっかじゃん」

『ごめん…ヒデ君に頼まれてることあったの忘れてたから行かなきゃ』

そう言ってAちゃんは走って稽古場を出て行った

深「え？今…」

佐「なぁ、俺の聞き間違いかな？」

岩「いや、俺も聞いた」

俺らはお互いの顔を見合った

佐「今、Aちゃん、ヒデ君って言ったよね？」

岩「あぁ、確かに言った」

深「道端も、滝沢くんのことヒデ君って呼んでたよな…」

佐「うん。アクロ教えてたら、早く出来るようになってヒデ君を驚かせるんだっていつも言ってた」

岩「や、でも…道端は男で、Aちゃんは女の子だぞ？」

深「それが違うんだとしたら？…道端もホントは女の子だったんだとしたら？」

佐「や、仮にそうだとしても確かめようがないじゃん」

深「いや…1つだけ確認する方法があるには、ある」

岩「なに？」

深「俺、道端に聞いたことがあんだ。兄弟のこと」

佐「それが何の確認になんの？」

深「道端には兄貴がいて、その兄貴の名前も教えてもらった。だからもし、Aちゃんにも兄貴がいて名前が同じなら…」

岩「なるほどな…確かに」

その日、結局Aちゃんが稽古場に戻ってくることはなく、後日改めて聞くことにした