La reine des Neiges…[２] (ページ44)

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多分あれは、まだ俺が高校生になったぐらいの時…

「あ、阿部くん!今、時間ある?」

阿「ん?大丈夫だけど…」

「これ教えて!もう、僕ひとりじゃ無理!解けない!」

渡「めっちゃ必死じゃん!」

「だって明日までの宿題なんだもん!それにテストもあるらしくて…だからお願い!」

阿「いいよ。どれ?」

「やった!これなんだけどさ…」

阿「あーこれはね…ここをこうして…」

「ふむふむ……うーん…ん?」

鉛筆を顎に当て唇を尖らせながら考え込む彼

渡「変な顔してやんの!」

「ん?…あ、そっか!わかった!」

翔太の声は彼には届いてなかったみたいだ

阿「これで大丈夫そう?」

「うん!阿部くん、ありがとう」ニコッ

『亮平くん？…どうかした？』

阿「あ、いや…これで大丈夫？」

『うん！亮平くん、ありがとう』ニコッ

やっぱり…あの頃のあの子と一緒だ。似てる…

阿「ねぇ、Aちゃん」

『ん？なに？』

阿「あのさ…「お、阿部！絢香もここにいたんだ」

『あ、翔太くん！おはよう』

渡「2人で何して…げっ、勉強…」

『今度テストだから、亮平くんに教えてもらってたの！ね？』

阿「あ、うん！」

渡「よくやるわ(笑)ってか、そろそろ始まんぞ？」

『え、うそ！やばい！滝沢くんに怒られる！亮平くん、ホントありがとう。じゃ、2人とも先に行くね？』

渡「おぉ！」

阿「……」

渡「阿部、どうした？」

阿「いや、別に…行こっか」

結局、翔太が呼びに来たこともあって聞くタイミングを逃し、その後もなかなか聞ける時間がなかった