La reine des Neiges…[２] (ページ43)

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90.気づく瞬間［緑］ページ43

阿部side.

今日は大学の講義で遅くなる予定だったんだけど、早く終わったから稽古まではまだ時間があるけどスタジオにやってきた

『あーもう！なんなん、これ！』

阿「ん？」

まだ誰も来てないと思ってたのに声が聞こえてきて覗きに行くと、自販機前にあるテーブルに座って何かを必死にやっているAちゃんの姿があった

阿「Aちゃん、おはよ！」

『ん？あ、亮平くんおはよう！早いね？』

阿「受けるはずだった講義が休講になっちゃってね。少し早いけど確認したいこともあったし来ることにしたんだ」

『そうだったんだね』

阿「大きい声出してたけど、なんかあった？」

『え、うそ。聞こえてた？恥ずかしい…ちょっとテスト勉強してたんだけど分かんないとこ出てきちゃって…』

阿「あーなるほど。あれ？でも受験は終わったんじゃ…」

『そうなんだけど…今度、入学前の学力テストがあるらしくてその勉強！』

阿「あぁ確かに。クラス分けのテストだっけ？」

『そうなの…あ！そうだ亮平くん！まだ時間ある？』

阿「ん？まぁ、大丈夫だけど…」

『これ教えて！もう、私ひとりじゃ無理！』

阿「あはは(笑)いいよ、どれ？」

『これなんだけど…』

阿「あーこれはね…ここをこうして…」

『ふむふむ…うーん…ん？あ、そっか！』

やり方を教えてあげていると、ペンを顎に当て唇を尖らせながら考え込むAちゃん

その姿を見て、ある昔のことを思い出した