メンバーと記憶 ページ9
・
朝起きるといつも通りスマホのチェックから始まる。
だいたいメンバーからのメッセージばかりで、私ってメンバーが居なくなったら孤独だなって急に思ったり。
ベットから出ようとすれば、まだ寝ていると思っていた腕が腰に絡まってきた。
「起きてたの？」
「……まだ寝る」
「でも今日仕事あるから起きなきゃ。シャワー浴びるでしょ？」
「ん、でも俺早いから大丈夫」
君は大丈夫でも、女の私にはそれなりに身支度を整えなきゃならないのですよ。
なのにもう一度ベットに戻そうと、グイグイ引っ張るの辞めれる？
最近鍛えてるからって、こんな時に強さアピールしなくていい。
「こら翔太！ いい加減にしろ」
ペシっと剥き出しの肩を叩いたら、寝癖付きの寝ぼけ眼が私を睨む。
「お前さ、誰が好きなの？」
「…………」
なに突然？
「最近お前なかなか捕まんねぇからさ、メンバーと居るのかと思えば違うんだって？ お前が好きなの誰？」
「………皆だよ」
「……もうそれ聞き飽きたわ」
少し前なら「馬鹿じゃねぇの」なんて笑い飛ばしてくれたのに、もう誰も笑ってくれなくなった。
はあ、と朝から溜息つけば油断したせいで翔太に押し倒される。
見上げたら真剣な表情で私を見下ろして、乱れた髪を流してくれた。
「俺だろ。お前が好きなの」
「自信満々だね」
「当たり前じゃん。……てか、俺にしとけ馬鹿」
強気なのか弱気なのかわからない。
挑発的に笑っていたと思えば、急に切なげに眉を落とした。
こんな顔をさせたいわけじゃないのに。
大好きな皆にはいつも笑っててほしいのに。
だから誰かを選ぶのは嫌だった。
けれど選ばなくてもこんな顔をさせちゃうなら、私はどうしたらいいんだろう。
………ね、パパ。
私が彼らと真剣に向き合えない理由は、もう大切な人を喪うのが怖いからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3676人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みぃ(プロフ) - TwitterのDMを送らせていただいためぐみと申します。最近SnowManを知って、一気に読み進めてきました。切なくて涙がとまりません(>_<)続きも楽しみに読ませていただきます。 (2022年12月25日 19時) (
レス) @page47 id: 6ed58a0011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» コメント、リクエストありがとうございました！遅くなってしまってすみません。ほんとはもっと賑やかものがいいかなって思ったんですが終盤なので、作品と絡めたら暗い感じになってしまって(汗)ちょっとでも楽しんでもらえていたら嬉しいです！ (2021年9月4日 18時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんばんは☆ﾘｸｴｽﾄ、ありがとうございました♪ﾒﾝﾊﾞｰさんの反応はどんな感じなのかなって、完全な思いつきだったので、こんなｽﾃｷなお話にしていただき、感謝しかありませんv(￣ー￣)v ありがたや〜☆ (2021年9月3日 18時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年8月17日 13時
