21.抗えない ページ21
松村side
きっと、俺たちは浮かれていたんだろう。
甘い熱に脳が焼けて、溶けて、正常な判断ができていなかったんだろう。
あの沖縄での夜から4日後、学校中が静かに変化を示していた。
“松村と京本は、どうやら仲がいいらしい”
密やかに噂をする彼ら、彼女らの話を聞き流しているようで、俺は内心焦りに焦りまくっていた。
どこから、誰から、そんなことが囁かれたのだ。
そしてそいつは俺たちの何を見た、何を知っている。
だが俺には心当たりもあった。
見たのならばロビーに行く道中か、ホテルの前の海での一部始終だ。
それ以外は徹底して避けていたし、きっと見られていないはずなのだ。
「…くそ」
大変面倒なことになってしまった。
校内はすっかりその話題で持ちきりだし、ますます大我に会いづらい状況になった。
このままだと週に一回の屋上での密会すらままならないではないか。
ムシャクシャして読んでいる風に持っていた文庫本を机の上に叩きつけると、休み時間で騒がしかったクラスが一瞬静かになった。
どうやらもうその域にまで噂は広まっているらしい。
ジ『…北斗、イライラしてんね』
「別に、してないけど」
『顔に出てるから』と笑って俺に背を向けたジェシーは、愉快に便所〜なんて歌いながら去ってしまった。
本当は校内でスマホを触るだなんて言語道断なのだが、どうしても大我と連絡が取りたくて、机の中にスマホを隠しながら指を動かす。
〈たいが、なんか面倒なことになってるから気をつけて〉
〈聞かれたことには答えなくていいから〉
予想外にすぐについた既読に驚きが隠せない。
なぜ大我もスマホを触っているのか。
《わかった》
絵文字がない、大我らしい文に張り詰めた心がふわりと浮いた。
《ほくと》
〈なに？〉
《はやく、会いたいね》
あぁ、やっぱり、週に一回の大我との時間は無くせない。
無理に決まっているんだ、俺には。
〈会えるよ、すぐに〉
俺は弱い、すごく弱い。
大我に触れれば触れるほど弱くなって、気持ちが抑えられなくなっている。
このままではダメなことくらいわかっていて、それでも大我のことをすきだという気持ちに抗えない。
《みて、手》
なぜか不意に送られてきた大我の左手、かわいい、
〈はいはい〉
すきだよ
.
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椿(プロフ) - 龍晴さん» ありがとうございます！すごく嬉しいです（ ; ; ）続編でもよろしくお願い致します！ (2020年9月15日 22時) (
レス) id: 297f127f9f (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 蕾華さん» たくさんありがとうございます！Twitter検討中です〜！良すぎるだなんて恐縮ですが嬉しいです(；A；)失恋といえばって感じになっちゃってます笑 (2020年9月15日 22時) (レス) id: 297f127f9f (このIDを非表示/違反報告)
龍晴(プロフ) - ひとまず、お疲れさまでした！更新の通知が来るたびに、にやにやが抑えられないほどでした( *´艸｀)１人のキャラクターがかわいくて、かっこよくて、最高でした！ (2020年9月11日 22時) (レス) id: 34d069185e (このIDを非表示/違反報告)
蕾華(プロフ) - ひとまず区切りおめでとうございます〜！ 本当に更新が楽しみで、続編に続くと聞いて嬉しかったです。椿さんのTwitter私は見てみたいです〜o(｀ω´ )o 一人で三回もコメントしてしまいすいません。本当に！作品がよすぎて！ jrくんのひつ連ははかなくて綺麗ですよね〜 (2020年9月11日 16時) (レス) id: 169f18cdbf (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ふあとさん» ありがとうございます！現在Twitterは開設しておりません。今後も予定はありませんが一度検討してみるのもいいかなと思いました(^ ^)良い機会を下さりありがとうございます！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 297f127f9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿
| 作成日時：2020年3月25日 1時
