四十三、思い出す ページ4
カグヤは、頭は忙しく働いているが、顔は下を向いたまま固まった状態だ。
「ど、どうしてそんなことを聞くの？」
カグヤが聞くと、サンがふっと笑った気がした。
気がした、というのは、サンがカグヤの顔を見れていないからだ。
「カグヤの好きなものは知っておきたいからな。」
「そ、そうなんだ…。」
言葉は発するが、サンの顔を直視できない。
だって…サンの顔を見たら…きっと、あの看病の時を思い出す。
いや、見なくてもあの柔らかな唇の感触、腰と後頭部に回されたたくましい腕は記憶に、そして身体にしっかり刻まれているのだが。
温かい唇…
何度もされた口づけ…
思い出すだけで赤面しそうだ。
……とそこまで考えて、はたと気づく。
「……サン、熱はもう大丈夫なの？」
そうカグヤが言うと、
「ん？おう！大丈夫だ！今日はカグヤにそのことで礼をしにきたんだ。カグヤも看病してくれたらしいな、礼を言う。ありがとう。」
サンはそう言って頭を下げる。
「あ、頭を上げて！僕は当たり前のことをしただけだよっ？」
カグヤは慌ててサンに言う。
「いや、しかし……。何か俺にできることはないか？」
サンは頭を上げつつカグヤをみて言った。
カグヤはそのサンの瞳に吸い込まれるように見入る。
好き…って気持ちと僕のものになってほしいと言う気持ちがこみ上げてくる。
でも、さすがにそんなお願いはできない。
恥ずかしすぎる。
「……では、朱華さんのお宅を教えてくれますか？」
「朱華の？」
サンは不思議そうな顔をする。
「はい。朱華さんにお話したいことがあるのです。」
「わかった。」
サンは頷く。
「ありがとうございます。」
カグヤはにっこり笑って言った。
朱華に会いに行こう。
ちゃんと朱華に言う、戦線布告する、そう、決めたのだから。
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せなち(プロフ) - 大好きなプリンスカグヤのお話！更新が楽しみで仕方ありません！！これからも頑張ってください！ (2017年5月21日 21時) (
レス) id: 976f699d49 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - いつも楽しみに見てます！更新される度きゅんってなったりせつなくなったりとしてます。これからも頑張って下さいね！応援してます！ (2017年5月10日 6時) (レス) id: ceae9f4bba (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅーん(プロフ) - プリカグ大好きすぎて(≧∇≦)更新待ってます！ (2017年3月28日 17時) (レス) id: 5bcc2fc986 (このIDを非表示/違反報告)
一松大好き(プロフ) - 続編おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: 947c26b20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリーAI | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Marie-HP/
作成日時：2017年3月16日 20時
