六十三、注文の多い ページ24
そらの自信たっぷりの顔に、カグヤは、少し頬を緩ませながら、
「助言…？」
と尋ねた。
「ああ。そうだなあ〜、男の心をつかむのは、やっぱり料理かな。」
そらは、ん〜と悩んでから言った。
「…もうしてるよ？」
カグヤはがっかりしたように言った。
料理が下手だったカグヤだが、碧に教えてもらい、だいぶ上手になった。
たまにではあるが、その料理をサンに振るまったりもするのだ。
「そうかあ〜…」
そらは、残念そうに言い、そして、また、ん〜と考えるようにしてから、
「じゃあ…直接言ってみる事だな。触れて欲しいって。」
と言ってニヤッと笑った。
「へ…？」
カグヤは一瞬聞き返し、そのあとすぐにそらの言葉の意味がわかったのか、
「無理、無理、無理！」
とすごい勢いで首を横に振り、否定する。
カグヤの顔には熱が集中しており、茹で蛸のように真っ赤になっている。
「どうして？」
「だ、だって、自分で言うなんてそんな…。」
カグヤは顔を赤くしたまま俯いた。
自分がサンに言っているところを想像したのか、幾度か首を横に振っている。
「注文が多いなあ…カグヤは。」
そらは、苦笑しながら言った。
「だ、だって！」
そらは、再度、ん〜と考え、
「ん〜、それじゃ、さりげなくそういう雰囲気にすることだな。」
と言った。
「さりげなくそういう雰囲気？」
カグヤの聞き返しに、そらは頷く。
「少しボディタッチしてみるとかだな。」
「だ、大丈夫かな…僕にできるかな…。」
カグヤは、心配そうに呟いた。
そのとき、そらは、何かに気がついたのか、一瞬ニヤッと笑い、
「大丈夫だよ、自信持て！カグヤは誰のことが好きなんだっけ？」
と試すように聞いた。
カグヤは、急に何を聞くんだろう？と首を一瞬傾け、そのあと、恥ずかしそうに、俯きながら、
「…？そんなの、決まってるじゃない。サンだよ。サンが大好き。」
と答えた。
それに対するそらの返答はなく、代わりに、
「き、急にどうした、カグヤ。」
と聞き慣れた、大好きな声が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せなち(プロフ) - 大好きなプリンスカグヤのお話！更新が楽しみで仕方ありません！！これからも頑張ってください！ (2017年5月21日 21時) (
レス) id: 976f699d49 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - いつも楽しみに見てます！更新される度きゅんってなったりせつなくなったりとしてます。これからも頑張って下さいね！応援してます！ (2017年5月10日 6時) (レス) id: ceae9f4bba (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅーん(プロフ) - プリカグ大好きすぎて(≧∇≦)更新待ってます！ (2017年3月28日 17時) (レス) id: 5bcc2fc986 (このIDを非表示/違反報告)
一松大好き(プロフ) - 続編おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: 947c26b20a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリーAI | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Marie-HP/
作成日時：2017年3月16日 20時
