六十一、誰のせい ページ22
月明かりでカグヤの頬に伝う涙が光る。
次々と流れ落ちるのは美しい真珠のような涙。
真珠は頬を伝い、そのまま地面へと吸い込まれていく。
「カグヤは、泣き虫になったな。」
サンが困ったような表情で言い、カグヤの頬を伝う涙をそっと指で拭う。
「だ…誰のせいだと…っ！」
カグヤは、涙をためた目でサンを見つめる。
そして、サンを見つめたまま、
「切なくてっ…！苦しくてっ…！それなのに、ドキドキしてっ…！」
まくし立てるように言った。
ときおり、しゃっくりを上げながら、なおも続けるカグヤ。
「好きでっ…好きでっ…たまらなくてっ…！どうしていいかっ…わからなくてっ…！」
文脈もぐちゃぐちゃで何を言っているか自分でもよくわからない。
なのに、サンは、黙ってカグヤの言葉を聞いてくれる。
「好きっ…好きだよ、サン。僕は…君のことっ…！」
「カグヤ…。」
サンはしゃくりを上げながら言うカグヤをそっと抱きしめた。
カグヤの腰に優しく回されたサンの腕。
「そうだな、俺のせいだな。でも、これからは、いっぱいいっぱい笑わせてやる。涙なんか用無しになるくらいに。」
そう、そっと呟くように言った。
サンの言葉が優しくカグヤの耳に流れ込んでくる。
温かく優しい声。
カグヤが一番好きな声。
カグヤは、何度もコクコクと頷く。
今、サンの胸にいられる幸せを噛みしめながら。
「サン…。」
カグヤは、サンの腰に手を回し、キュッと抱きしめる。
そして、願う。
ずっとこの場所が自分のものでありますように、と。
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せなち(プロフ) - 大好きなプリンスカグヤのお話！更新が楽しみで仕方ありません！！これからも頑張ってください！ (2017年5月21日 21時) (
レス) id: 976f699d49 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - いつも楽しみに見てます！更新される度きゅんってなったりせつなくなったりとしてます。これからも頑張って下さいね！応援してます！ (2017年5月10日 6時) (レス) id: ceae9f4bba (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅーん(プロフ) - プリカグ大好きすぎて(≧∇≦)更新待ってます！ (2017年3月28日 17時) (レス) id: 5bcc2fc986 (このIDを非表示/違反報告)
一松大好き(プロフ) - 続編おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: 947c26b20a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリーAI | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Marie-HP/
作成日時：2017年3月16日 20時
