行ってこい ページ2
会場に着くと、もう既にレギュラーメンバーは揃っていた。
……いつもの笑顔と、程よい緊張感。
みんないい表情してるな。
「おはようございます」
「……っス」
私たちに真っ先に駆け寄ってきたのは、桃。
「よっ!Aも越前も、相変わらず遅い出勤だな!」
桃はそう言って、リョーマくんの肩をガシッと掴んだ。
「い、痛いっス…桃先輩…!」
ホント、いつも通り。
これが明日からパッタリなくなっちゃうなんて、考えたこともなかった。
……実感、わかないな…
「どうしたの、A?そんな顔して」
「あ…おはようございます、不二先輩」
私、今そんなに顔に出てたのかな…?
「……聞いたんだよね、越前から」
「はい…」
不二先輩は私の頭に手を置いて、ぽんぽんとなでてくれる。
「じゃあ、今日はますます僕が頑張らないとね」
「え…?」
「君の浮かない顔、僕の試合で変えてみせるから」
不二先輩はそう自信ありげに笑った。
「……はい…!」
「……越前…」
ふと手塚部長の声が耳に入る。
「楽しんで来い。俺たちは更に成長して、お前の帰りを待っている」
「……はい、俺もイギリスで成長してきます。
青学の柱ってヤツになるのは、それからでも遅くないっスよね?」
リョーマくんの目はキラキラしていて、迷いはなかった。
「あぁ、もちろんだ…!」
みんなの視線がリョーマくんに向けられる。
「じゃあ…飛行機の時間なんで、俺はそろそろ…」
リョーマくんは深く礼をして、私たちに背を向ける。
そんなリョーマくんを、みんなは「行ってこい」とでも言うように見つめていた。
……ホントに…行っちゃうんだ…
すると、急にリョーマくんがピタッと止まった。
「……ねぇ、A」
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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ちー - サイコウ! (2019年7月26日 10時) (レス) id: 47c71eb492 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ - 私も一気読みしてしまいました。久しぶりにドキドキしながら読んでました!これからも頑張って下さい。 (2016年8月11日 23時) (レス) id: b4234f65c9 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - こんにちは! 主人公になった気持ちでずっと読んでましたが一緒にドキドキしたり、泣いたりしてしまいました!作者さんの小説の書き方が上手で感情移入しやすかったです! 最高の作品でした! これからも頑張ってください!応援してます (2016年1月5日 0時) (レス) id: f1915054a7 (このIDを非表示/違反報告)
うなうな - 私も一気読みしてしまいました。とてもおもしろかったです! (2016年1月1日 10時) (レス) id: b835d946aa (このIDを非表示/違反報告)
ノエル - part1から一気に読みきってしまいました!!とっても面白かったです!!これからも頑張ってください。応援しています。 (2015年6月16日 21時) (レス) id: 6b02af50b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔弥 | 作成日時:2012年9月1日 20時