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現場に着き、みんながバスを出る。



まだみんなの顔はこわばっていて…




「さっき、マル害から連絡があったらしい。」



内海隊長が緊張した面持ちで言葉を発する。


「人質は一部、解放した、との情報だ。解放された人質の回収は、捜査班のだれかで頼む。」


「「「はいっ。」」」


「まだ人質は残っている。まずは解放が優先だ。だが、正確な人数が特定できていない。坂本!お前に潜入捜査を頼みたい。」


「はいっ。」


「渡辺!」



急に名前をよばれる。


『は…はいっ!』



「お前も行け。坂本と。」


『はいっ?』



そんな、いきなり……



「隊長!待って下さい!さすがにいきなりって…危険じゃないですか?」



坂本さんが言う。



「あぁ。危険だ。」



「じゃあ、なんでですか?」



内海隊長が急に左の人差し指で空を突き刺す。


「阿部先生が見たいと言っている。渡辺の行動力と…お前の対応力。」



この手は上からの命令ってことかな?




坂本さんは少し嫌な顔をしてうつむく。



小さい声ではい、と呟き私の方を睨みつける。




よりによって坂本さんとっていう…




「A?」



内海隊長に呼ばれる。



「これ、耳に付けといて。通信機。……ごめんな、こんなことなって…。」


『いえいえ!そんな!』


「気ぃつけてな。ほんまに。」


『はい。』





潜入捜査だから、命に関わるほど危険とはいえない。



でも万が一、まる害にばれた場合はもう……





入ってすぐの組織からもらった仕事…



潜入…


坂本さんとだけど、頑張ろう。

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作者名:かん | 作成日時:2014年3月21日 1時

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