P R I D E (ページ5)

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初めて袖を通したトレーニングウェアはまだ身体になじんでくれない。

サイズはちょうどなんだけどなぁ…

全身鏡でチェックして更衣室を出た。

廊下では椋丞と宗一郎がまだなじんでいないトレーニングウェアを着て私を待ってくれていた。

「行こっか。」

宗一郎の言葉にうなずいてトレーニングルームへ向かう。

三人で廊下を歩いていると通りすがる人たちは必ず私たちを見る。

特に私への目線がきついのは気のせいかな…？

『なんかやだ。』

一人でボソッとつぶやくと、聞こえていたのか椋丞が私の頭に手をおく。

言葉はないけど伝えられた言葉くらい分かる。

＿＿＿気にするな

私が今まで何度もかけられた言葉。

思い出そうとしてないのに。

ただ勝手に…

思い出したくないその情景が頭の中に浮かぶ。

思い出したくない声が耳の奥に響く。

知らぬ間にうつむいていた私の頬を宗一郎がつねる。

「A？」

心配そうに私の顔を覗き込む彼にとびっきりの笑顔でうなずいてみせる。

気にしない、気にしない。