自覚と患い ページ4
「……目黒っ」
二年目となる歌舞伎への出演が決まって、
顔合わせの帰りにリハ室を後にして事務所の廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「……ぁ、舘さん!」
本当は顔合わせ終わりに話したかったけど、彼は久しぶりに会うスタッフさんとかジュニアと話してて、少し寂しく思いながら帰ろうとしていたところだった。
走ってきたのか、少し息が上がっていた。
「スタッフさんと打ち合わせの予定立てなきゃなくて、本当は1番に声かけたかったんだけどさ……。」
「もう帰るところ? ……ちょっと話そうよ。」
息を整えた舘さんが指差したのは、
去年俺たちが居残り練習していた空きリハ室。
「なんかもう懐かしいっすね……(笑)」
「んね、ここで練習してたことが随分昔のことみたい。」
壁一面に張られている鏡を、
指で撫でる仕草がなんとも言えないくらい綺麗で。
その後ろ姿をじっと見ていた。
鏡を撫でる指に向けられていた視線がスッと上がって、鏡越しに俺の姿を捉える。
バチッ! と音がなったかと錯覚を覚える程、俺と舘さんの視線がぴったり合った。
「なに見てんだよ(笑)」
「ぁあ、いや……綺麗だな、って、」
「なにそれ、目黒って変なこと言うよね」
冗談じゃないのに……。
「ね、目黒……」
「はい、」
舘さんはクルッとこちらを向いて右手を差し出した。
「おめでとう。
……目黒の努力が、目黒蓮としての居場所を作ったんだよ。
本当に、良く頑張ったね。」
「……っ…! ……ありがとうございます。」
嬉しくて……。
堪らなく嬉しくて。
差し出された手を両手で掴んでぶんぶん振り回したら、
ちょっと痛いよって怒られちゃったけど。
「また一緒に頑張ろう。」
照れ臭そうに笑ってくれた。
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ニナ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます!どうかどうか、二人の思いが重なってほしい…涙 (2021年10月5日 23時) (レス) @page49 id: b294cacc31 (このIDを非表示/違反報告)
無(プロフ) - ニナさん» コメントありがとうございます◎更新に波があって申し訳ありません…ぜひぜひ今後とも楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2021年10月5日 23時) (レス) id: 7e11e0c637 (このIDを非表示/違反報告)
無(プロフ) - 魏紫姫 桜描さん» コメントありがとうございます◎!めめだていいですよね〜…作品も供給も是非もっと増えて欲しいですよね、、 (2021年10月5日 23時) (レス) id: 7e11e0c637 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - 初めまして。ものすごく続きを楽しみにしている者です。次の更新、マイペースでもちろん構いませんので、楽しみにしてますね。応援してます! (2021年9月30日 22時) (レス) id: b294cacc31 (このIDを非表示/違反報告)
魏紫姫 桜描 - 初コメです!俺も,めめだて好きなのでめっちゃ嬉しいです!俺も,めめだての小説書いてるので、読んでみてください!応援してます! (2021年8月1日 12時) (レス) id: 067498defb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無 | 作成日時:2021年4月19日 21時