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利吉side
それは衝撃だった。
己の魂がひゅるりと抜けていくのが見えた。
『り、利吉くん!』
利吉「はっ」
正気を取り戻したは良いけれど、
心配そうに自分を見つめるAさんの頬には
やっぱり傷があって、また目眩がした。
Aさんの家から持ってきた救急箱から
消毒液と軟膏を準備した。
血はもう固まっているらしく、
消毒もさほど痛くはなさそうだ。
きっと傷は消えるだろうが、頬だぞ。顔だぞ。
『なんで怒ってるの』
利吉「怒るに決まってます」
『これ?この傷?』
"怪我くらいするよ"とか言って
へらっと笑うAさんだけれど、
利吉「……私はいつだって、
Aさんの無事を願ってると言ったでしょう」
それは小さな傷だって許さないということなのだ。
利吉「だめですよ」
Aさんは頬に添えた私の手を剥がそうと
必死になっているけれど、
気にせず空いた方の手で傷に軟膏を塗った。
利吉「私のAさんに、傷が残りませんように」
『……利吉くんのじゃないよ』
利吉「え」
え?初耳なんですけど。
じゃあ誰のAさんだというのだ。
利吉「私にしておくと特典がありますよ。
Aさんに一生溺愛します特典」
するとAさんは呆れたような顔をした。
『誰彼構わず、そういうこと言うのやめなよ』
そう溜め息混じりで言うけれど、
私がこんなことを誰彼構わず言うわけがない。
それに、そう声色は強めなのに
目線を逸らすのはどうして?
ねぇ、何を思ってるの?
利吉「言わないよ」
だって、欲しいのは貴女だけだから。
◆◇
利吉「Aさん、いってらっしゃい」
『いってきます』
自分はいつまでここにいるのかって
Aさんは聞くけれど
帰らない選択だってできるのに
いつもここに帰ってきてくれるのが
可愛くて仕方がない。
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イリス(プロフ) - 夢主と利吉の関係性も好きだけど、なにより北石さん大好きですwww (2022年12月5日 0時) (レス) @page13 id: af492db464 (このIDを非表示/違反報告)
Saku*no(プロフ) - こんにちはどの作品も利吉さん好き!これからの更新頑張って下さい!! (2022年10月30日 10時) (レス) @page1 id: 39a66916ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2022年10月30日 10時