15 ページ16
you side
利吉「……怒ってるから」
『おこ……へ?なんで?』
本当にわからなさ過ぎて、
間抜けな声が出た。
すると利吉くんは
私の間抜けな返事に反応したのかわからないけれど、
やっとこちらを向いた。
利吉「せっかく北石に自慢してきたのに。
それなのにAさんは、
土井先生に口説かれてるし」
そう言う利吉くんは、むすっとむくれ顔。
いやいや待ってよ。
『違うよ、話を聞いてもらってただけ』
利吉「話?」
『うん』
利吉「何の話?」
『えっと……それは』
自分の胸に秘めていたわがままを、
今ここで言うなんて……
『えっと、あの……とりあえず先に
今日の仕事の話だけど、』
利吉「ほら、はぐらかすんだから」
ぷい、と利吉くんはそっぽを向いてしまった。
◆◇
あれから利吉くんはあんまり機嫌が
宜しくないのだけれど、そこはプロ。
仕事は仕事。
ビジネスパートナーとしてきっちりと働く。
利吉「さて。私に何かあったときは、
迷わず逃げてくださいね」
『もう、変なこと言わないで』
利吉「あはは、必ず戻りますよ。いってきます」
そう言って利吉くんは、
とある城に忍び込んでいった。
暫くして、そろそろ利吉くんが戻る頃。
なかなか厚い警備だと聞く、とある城。
私が見張り役だけれど、気を付けないと。
利吉「Aさん、戻りました」
『おかえり、利吉くん』
無事に戻った利吉くんから密書を受け取って、
そのまま足早に城を後にする。
利吉「お疲れ様でした」
『利吉くんこそ、さすがです』
城を出た途端、利吉くんの目つきは変わる。
利吉「で、さっきの話ですけど」
『さっきの話?』
利吉「土井先生と何を話していたんです?」
あぁ。
私、逃げられそうにない。
163人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イリス(プロフ) - 夢主と利吉の関係性も好きだけど、なにより北石さん大好きですwww (2022年12月5日 0時) (レス) @page13 id: af492db464 (このIDを非表示/違反報告)
Saku*no(プロフ) - こんにちはどの作品も利吉さん好き!これからの更新頑張って下さい!! (2022年10月30日 10時) (レス) @page1 id: 39a66916ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はな | 作成日時:2022年10月30日 10時