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you side



私の生まれ故郷は、ど田舎だ。
平凡な家庭に生まれた私は、
毎日元気に外で駆け回って幼少期を過ごした。


ただ後々だけれど、父が忍者をしていると知って
私も志すことになる。
それはまぁ良いとして、私には幼い頃から好きな人がいた。


彼はいわゆる幼馴染で、小さい頃から一緒に遊んでいた。
これが初恋だと気付くのは、わりと遅かったように思う。




彼「そうか……Aは村を出るんだな」



『うん。やりたいことがあるから』




すっかり忍者として成長した私は、
故郷を離れて暮らすことにした。

彼は寂しくなるな、と言いながらも
私を応援すると言ってくれた。


そんな優しいところが好きだったし、
きっとこれからも好きなんだろうと思っていた。


ただ、忍者として生きていくことも、
抱いている恋心も、彼には秘密のままだった。






忍者として自分で充分生活できるようになっても、
私の心には彼がいた。

時々は手紙を送り、返事もきた。
私と彼を繋ぐもの。それだけで幸せだった。



そしてある日、母からの手紙を開くと。



そこには、彼が結婚したと記してあった。
衝撃とは違った感情だったと思う。
あぁそうなんだ、それくらいだったと思う。


彼を好きだったことは、
私の良い思い出になる予定だったのに。




◆◇




仕事を詰めていた日々に疲れて
少し休もうと、私はふらりと故郷を訪れた。

相変わらず父は仕事だか何だか家にはいなくて、
母も相変わらず元気そうで安心した。




『お父さんは?』



母「ちょうど昨日からまた仕事に出たわ」



『あら、タイミング悪かった』



母「あ、そうそう。あの子も帰ってきているみたいよ」




あの子。
彼のことだ。


てっきり実家の農家を継いで
お嫁さんを迎えたのかと思っていたのだけれど、
どうやら彼が婿入りしたらしかった。




母「久しぶりでしょう?挨拶でもしてきたら?」



『………そうね』




身体を休めたかったので、家でのんびりしたり、
ぷらぷらと町へ出たり自由に過ごした。



そして家の近くまで帰って来たときだ。





「………A?」





私は彼と、再会した。



もう彼は誰かのものなのに。


私の恋心は、
まだうまく思い出になってくれていなかったのだ。

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設定タグ:忍たま , 山田利吉 , RKRN   
作品ジャンル:恋愛
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はな(プロフ) - でん太郎さん» お返事遅くなりました!利吉さんどんどん変になっていきますどうしよう笑"大好きだなんて!ありがとうございます!とっても嬉しいです!のろのろ更新ですが頑張りますね。コメントありがとうございます❤️ (2022年7月31日 9時) (レス) @page42 id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
でん太郎(プロフ) - 利吉さんがギャグ枠になってるのがツボすぎて、大好きです…😭ここで他の作品のことをお伝えするのもアレかとは思いますが、全作品、構成も夢主も、文章もとても大好きです、これからもずっと応援しています🙇‍♀️ (2022年7月13日 22時) (レス) @page9 id: 1487e65024 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 青野ゆあんさん» ありがとうございます!ちょっと変わった利吉さんに挑戦です〜更新頑張りますので、引き続き読んで貰えたら嬉しいです。コメントありがとうございます! (2021年12月25日 22時) (レス) @page12 id: f70efdef00 (このIDを非表示/違反報告)
青野ゆあん(プロフ) - 好き,,,めっちゃ好き,,, (2021年12月19日 23時) (レス) @page4 id: a96dc153b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2021年12月19日 1時

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