【忍たま】利吉くんの好きな人。【山田利吉】

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you side


無事に忍務が終わって、久々に自宅へ帰ってるところ。


こうして時々長期忍務に出た後は、少しの間だけ
仕事を入れずにゆっくり過ごすようにしている。



ギャラも良かったしねぇ、ギャラも。




さぁ見えてきた自宅。
……え、家の前に誰かいるんですけど。



……いやいや待って。
あの背格好はもしかして、もしかしなくても




『利吉くん？』




声を掛けたのと同時に振り返った人は、
やっぱり利吉くんだった。


そしてどことなく、元気がないように見える。




利吉「……Aさん」




そして利吉くんは私を見るなり、
ばっ！と両手で耳を押さえた。




『どうしたの。耳、痛いの？』



利吉「耳が、とろけて失くなります」




そんなことはないでしょうよ。




『大丈夫だよ。耳あるよ付いてるよ』



利吉「Aさんの声、久々だから」




よくわからなくてぽかんとしていると、
利吉くんは気が済んだのか、そっと耳から手を離した。



良かったね、耳あるよ。




利吉「おかえりなさい一体どこへ行ってたんです」



『ただいま帰りました。久々に長期の忍務にね』



利吉「行動予定言っておいてくれないと！
　 どこへ行って、いつ帰ってくるって！」




いや、そんなぷんぷん怒ってるけどさ。
私ら忍者だよ。
そういうことは言わないの。



すると利吉くんは、
そっと私の手を引いて板戸を開けた。





利吉「……帰ろう、Aさん」



『え、うん』




帰ろうって……まぁそうだね。
私も早くお家でゆっくりしたいし。




『寄ってくでしょ？』



利吉「寄りません住みます」



『住みません』




良かった。いつもの利吉くんだ。





お茶でも淹れるね、と準備していると
板間に座っていた利吉くんが土間に降りてきた。




『どうしたの？』



利吉「お腹が空きました」



『あ、たしかにねぇ』




私も今日は帰ることに必死で、
食事らしい食事取ってないや。




『なにか食べに行く？』





利吉「そうですね……いや、でも。

　 Aさんを抱きしめてふかふかの布団で
　 眠りたいのもあるし、どうします？」





『どうもしません。はい何か食べに行こう』

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