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土井side
土井「え、夜ですか」
突然の学園長先生の思い付きで
今夜、職員会議が行われることになった。
思い付きに振り回されるのは毎度のことだし、
もう慣れたけれど……どうしてまた夜なのだ。
山田「突然の思い付きも困ったものだ……
そういえば、Aはまだ知らないんじゃないか」
土井「あ、そうですね」
たしか今日は、朝から実習のために
裏裏山へ出掛けているはずだ。
山田「たった今決まったからなぁ……
土井先生、後でAに伝えておいてくれるか」
土井「うぇっ!私がですか」
山田「何だ、嫌なのか。それなら私が……」
土井「わ、わかりました!私が伝えておきますから!」
慌てて言うと、山田先生はおもしろそうに笑った。
山田「べつに、普通に接すれば良いだろう」
土井「いや……」
私だって、できることならそうしている。
◆◇
もう少しで今日の授業は終わりの時間を迎える。
一年は組は実技の授業中なので、教科担当の私は
自室でテストの採点をしているところだ。
すると縁側でトタトタと足音。
そして、
『んーっ!疲れたぁ』
Aが実習を終えて、裏裏山から戻ってきたらしい。
そうだ、あの件のことを伝えなければ。
私はAが部屋に入ってしまわぬうちにと、
急いで障子を開けた。
土井「A、先生!」
思いっきり以前の調子で
"A"と呼んでしまったので、"先生"を付け足した。
『……あ、土井先生。お疲れ様です』
土井「お疲れ様。………実習は、上手くいった?」
『えぇ、とても。皆よく頑張っていました』
Aは嬉しそうに、
そして満足そうに笑顔で答えた。
「……………あ。
実は今日、消灯後に職員会議があるんだ」
『消灯後って、夜ですか!』
ひぃい!と悲鳴をあげるA。
朝から今まで実習に行っていたんだもんな、
お疲れだと思う。
土井「学園長先生の思い付きってやつだよ。
そのうち嫌でも慣れるさ」
『うぅ……頑張ります!ではまた夜に』
大丈夫だろうか。
Aが部屋へ入るのを見届けてから、
私も自室へと戻った。
土井「………あぁ、緊張した」
Aと話すのは、緊張して疲れる。
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梅こんぶ(プロフ) - こんばんは!そして新作おめでとうございます!私も土井先生も大好きでいつもはなさんの作る小説&ドキドキ&恋愛&いろいろ楽しみにしていました☆後お気に入り登録しました無理せずに頑張ってください! (2021年11月21日 1時) (レス) id: 067eb46949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2021年11月20日 23時