【忍たま】利吉さんはいじわるだ。④【山田利吉】 (ページ7)

今日:41 hit、昨日:11 hit、合計:83,268 hit

6 ページ7

you side

『利吉さん……もう行かないと』

利吉「へぇ」

『へぇ、じゃなくて。離してください』

利吉「いや」

私を抱きしめる利吉さんは、
その腕を全く解こうとしてくれない。

もうそろそろ、食堂に戻って
後片付けしなきゃいけない時間なのに。

『……もう、利吉さん』

背中に回していた手で、
利吉さんの髪をくいくいと引っ張った。

利吉「いてて。だって結局、
　全然一緒にいられなかったし」

『離してもらえたら、急いで片付けてきますから。
　そしたらその後、
　私の部屋でゆっくりできるでしょう？』

よし。こう言うと、きっと聞いてくれる。

利吉「………うん」

利吉さんは、うんと頷いて腕を解いた。

よしよし。思ったとおり。
利吉さんを転がすような事をして申し訳ないけれど、なかなか離してくれないから。

さて、それじゃぁ……

『私、食堂に戻ります。私の部屋で……』

利吉「……待って、A」

私の部屋で待っていてください、
そう言おうとしたけれど。

すっと利吉さんが私のあごに手を添えたので、
恥ずかしくてギシッと固まってしまった。

利吉「私を転がそうとするなんて……悪い子」

……ばれてた！

にやりと笑う利吉さん。

近付く顔に、口付けされると思って
目をぎゅっと瞑れば、

『ひゃっ……』

耳たぶを甘噛みされた。
思わず利吉さんの袖をぎゅっと掴む。

私が利吉さんを手のひらで転がすような事、
そりゃぁ無理だ。そうだそうだ。

利吉「ふふっ、可愛い……片付け、手伝うよ？」

『ううん……大丈夫。
部屋で待っていてください』

自分の部屋に戻ったら利吉さんがいるって、
なんか素敵だし。

利吉「じゃぁ……待ってる」

利吉さんは私の頬に口付けて、髪を撫でた。