40 ページ43
利吉side
利吉「事の発端は何なんだ」
初「実は……は、恥ずかしいんですけど」
少し頬を赤らめ、初は話し始めた。
要するにこうだ。
初は私と逢引きすることを想像。
恋愛経験のない初は、
そこらの男で練習しようとしたらしい。
(もうこの時点で意味がわからない。)
で、デートというものを経験したかっただけなのに、
それ以上のことを男が求めてきたものだから
顔を引っ掻いたと。
初「男性には、町へ入ってすぐの茶店で
声を掛けたんです」
本当に馬鹿なのかな、この子は。
理解に苦しむ。
利吉「自分から男を誘っておいて、
そうなる予想はつかなかったのか？」
初「最初に言ったもの。
私と少し町を歩きませんか、って」
危機管理能力が低すぎる。
私は盛大に溜め息を吐いた。
利吉「言っておくが、
私は君と逢引きするつもりは一切ない」
初「どうして？……運命なのに」
利吉「少なくとも、私はそうは思っていないよ」
初は顔をしかめた。
私の言葉は、心外だったらしい。
だけど、そんなことよりだ。
利吉「……じゃぁ私は、
Aさんを忍術学園まで送っていくから」
怪我はないと言っても、このままAをひとりで……あ、小松田くんに任せるわけにはいかない。
初「そんな！私を送ってください」
すると初は、声を大きくして言った。
利吉「はぁ……君の家は近く？」
初「はい」
彼女の家は、この町を抜けてすぐらしい。
利吉「そうか……それなら小松田くん、
君が初さんを送ってあげてくれ」
小松田「はいっ、わかりました！」
真っ直ぐ進むだけ、それにこの距離なら
小松田くんでも大丈夫だ。
初「待って！ど、どうして」
利吉「心配だからだよ。Aさんが守ったから、
君は傷一つないだろう？」
Aが心配だし、言いたいこともある。
このままここにいても意味がない。
私はAを支えて歩き出した。
小松田「僕たちも行きましょうか！……初さん？」
初「なによ……Aさん、Aさんって。
Aさんのこと、好きなわけ？
そうだとしたら…………邪魔よ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな
| 作成日時：2021年6月5日 22時
