【忍たま】利吉さんはいじわるだ。④【山田利吉】 (ページ34)

今日:25 hit、昨日:11 hit、合計:83,252 hit

32 ページ34

利吉side

利吉「んー！……っと」

大きく伸びをする。
夜中の忍務も終わり、少しだけ寝た。

今日もまた仕事があるけれど、
Aの顔が見たくて忍術学園へ行こうと思う。

Aは元気だろうか。
Aの笑顔を見て、ほっとしたい。

　

利吉「土産でも買って行こう」

私は町にあるAのお気に入りの団子屋さんへ
寄ることにした。

店主「ありがとうございました」

団子を受け取って、忍術学園へ向かおうと店を出ると、なんだか騒がしい。

「ぶつかっておいて、
　ごめんなさいだけで済むと思ってんのか！」

「何度も謝りました！そ、それに少し
　ぶつかっただけじゃないですか…！」

利吉「何だ……？」

どうやら男と女が揉めているらしいが……

近くにいた人に聞いてみると、
女性がすれ違い様に男性にぶつかってしまい
"謝って済むと思っているのか"と、
男性が高圧的な態度で絡んでいるらしい。

残念ながら、あるあるな光景だ。

どうしてこう、
女性に対してスマートになれないのだろう。

仕方がないな。

利吉「おい、その辺でやめておけ」

男「うわっ、何だお前！どこから……」

女性を後ろにして、男との間に割って入った。
急に現れた私に、男は驚いている。

利吉「彼女の言うように、
　少しぶつかっただけなんだろ？
　そんなことで責任取れなんて……ダサいぞ」

男「なにぃ？！うるせぇ！……ぐあっ」

勢いに任せて殴りかかってきた男を交わし、
その腕を掴んで地面に叩きつけた。

利吉「だからやめておけ。このままだと折れるぞ」

みしみしと音を立てる腕に、男は悲鳴を上げる。

男「わ、わかった！わかったから離せ！」

利吉「はいよ」

ぱっと腕を離すと、男は一目散に逃げていった。
……ださいな。

「あ、あの……」

背後で聞こえた小さな声に振り向くと、
何か知らないがえらく頬を真っ赤に染めた女性が。

「あ、ありがとうございました！」

利吉「全然。気をつけた方がいい」

じゃぁ、と歩き出すと、腕をがっちり掴まれた。

「私、初と言います。

　……あの、これは運命でしょうか」

…………はい？

彼女の目がキラキラ輝いていたことは確かだ。