【忍たま】利吉さんはいじわるだ。④【山田利吉】 (ページ19)

今日:26 hit、昨日:11 hit、合計:83,253 hit

17 ページ19

you side

休暇も終わろうかという頃、
私は小松田くんに呼び出されて食堂にいる。

最近の私といえば、
先日利吉さんと出掛けた日のことばかり思い出して、
幸せな気持ちに浸っている。

そんな利吉さんは、忍務中で暫く会えていない。
はぁ……会いたい……。

小松田「で、話というのはですね」

『うんうん、そうなんだ』

小松田「まだ何も言ってませぇん！」

どん！と小松田くんは机を叩いた。
いけないいけない、適当に返事していた。

『ご、ごめんごめん。どうしたの？』

小松田「……ごほん。実は僕、これから面接を受けに
　行こうと思っているんです」

『面接？……事務員の？』

すると小松田くんは、ちちちっと人差し指を振った。

小松田「いいえ！とある大きなお屋敷の、
　 "忍者隊に入ろう！"という張り紙を見て」

『その面接に行くのね、気をつけて……』

いってらっしゃい、と続けようとすると
小松田くんがずいっと身を乗り出す。

小松田「一緒に行きましょう、Aさん！」

『いやいや、私は面接受けないよ』

私はこの忍術学園で、事務員として
頑張りたいんだし。そもそも忍者の心得もない。

すると小松田くんは、

小松田「いえ、違うんです。僕、絶対に迷って
お屋敷にたどり着く自信がなくって……
一緒に来てもらえませんか？」

『えぇ、私が？』

小松田「休暇中で、誰もいないし」

『なるほど……もう、仕方ないなぁ』

付き添うだけなら、と私は一緒に行くことにした。

◆◇

小松田「着きましたー！」

『はぁ……間に合ってよかった』

案の定、こっちだと言うのに反対側へ行くし
あっちだというのに反対側へ行くし。

他にも面接を受けに来たであろう人たちが、
お屋敷の中に入っていく。

小松田「Aさん、ありがとうございます。
それでは面接に行って来まーす！」

『頑張ってね、この辺りで待ってるから』

小松田くんを見送り、私はお屋敷の塀にもたれて
少し休憩することにした。

しばらくして、
何気なくお屋敷の門の方を向くと

「おい、そこで何をしている」

目の前に大きな男性が立っていた。