【忍たま】彼女を見つけた話。２【土井半助】 (ページ40)

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you side

いつもの寝る時間。
土井先生が、私を寝かしつける時間。

いつものように私は布団に寝転んで、
土井先生はその隣で肘を付いて横になる。

『土井先生の、家に？』

土井「そうそう、Aさんが良ければ」

次の休み、土井先生からお誘いを受けた。
久々に家に帰るとのことで、一緒にどうかと。

『良いんですか？一緒に……』

土井「勿論。実は、大家さんに
　家賃を持っていかなきゃならなくて……」

払い忘れの期間があって
そろそろ追い出されるかもと、
土井先生は頭を掻いた。

休日に土井先生と、しかも
忍術学園の外で過ごすなんて、滅多にないことだ。

『じゃぁ……お邪魔します』

土井「良かった……そ、それにさ」

『はい………土井先生？』

ごろりと仰向けになって、肘で目元を覆いながら、
何かもごもごと話し難そうにしている。

土井「……いつかは、
　
　 Aさんの家にも、なる、……予定」

『……え？』

土井「なっ、なんでもない！
　明日も早いから、もう寝よう！」

土井先生はバッと起き上がり、
勢いよく私の首元まで布団を被せた。

…………変な土井先生。

◆◇

土井「さ、行こうか」

『はい』

休日。

何でもないような顔をして今日まで過ごして
いたけれど、本当は楽しみにしていた。

門を出て、うんと伸びをする。
きらきら朝の太陽が眩しい。

土井「……その小袖、Aさんに
　手ぬぐいを貰った日を思い出すなぁ」

『土井先生が、私を大きな声で叱った日です』

土井「……そ、そうです……」

思った以上に土井先生がズン、と
沈んでしまったので慌てて話題を変えた。

『えっと、えっと！
　今日は楽しみだったんです、私』

土井「……本当？」

ちら、とジト目で私を見る土井先生。

『ほ、本当です！
　一緒に出掛けられるの……初めてだから』

そう言って、きゅっと手を握る。

すると、すっかり機嫌を持ち直した土井先生が
にっこり笑って私の手を優しく握り返した。

土井「……私も、嬉しいよ」