【忍たま】彼女を見つけた話。２【土井半助】 (ページ35)

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you side

夢かもしれない。

土井先生が、私を好きだと言ってくれた。

こんな私を。

本日の授業も終わり、
私は土井先生と山田先生の部屋で
テストの採点をしている。

土井「明日から私と山田先生は出張だから、
　申し訳ないが授業を宜しく頼むよ」

『はい、任せてください』

山田「宜しく。だけど、無理をするんじゃないぞ？
　 ……あ、事務室に用があるんだった」

忘れていた、そう言って山田先生は席を立ち
事務室へと向かうために部屋を後にした。

土井先生と私、部屋にふたり。

土井先生はお茶をすすると、
ふう……と息を吐きながら湯呑みを机に置いた。

土井「……山田先生が仰っていたこと」

『事務室？』

用事って何かな、
仰ってくれたら私が行ったのに。

土井「違うよ、山田先生は"無理をするな"と」

相変わらず部屋の隅にいる私の傍に寄り、
土井先生は優しく頭を撫でてくれた。

土井「君はすぐに無理をするから、
　いつも心配なんだ」

いつも出張に出るときは心配だし、

風呂の後は髪が濡れたままだから
拭いてあげないといけないし、

夜は遅くまで仕事をするだろうから
寝かしつけないと駄目だし、

土井「本当…………
　手がかかる子ほど可愛いんだ」

『保護者だから、って言わない？』

土井「うん、言わない。恋人だから」

恋人だから。
その言葉が嬉しい。

『ごはんをしっかり食べて、
　しっかり寝るから大丈夫です。私も大人ですから』

土井「うん……なにせ、世話を焼きたくって……
　はぁ、離れるのは辛い……」

がっくりと項垂れた土井先生。

すると、ぺしん！と音と共に頭が揺れた。

土井「あたっ」

山田「何を言ってるんだ、半助。
　たかだか一日二日、離れるだけだろう」

土井「わわわっ！や、山田先生っ」

用事済ませたらしい山田先生が、後ろに立っていた。

今の会話を聞かれていたのかと、
土井先生の顔は真っ赤。

山田「ほんの二日程度、我慢しなさい。
　 ……Aくんも大変な恋人を持ったもんだ」

『いえ、あの……ふふっ』

おもしろそうに笑う山田先生と、
恥ずかしいと顔を手で覆う土井先生に

思わず吹き出して笑ってしまった。