Pretender３

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「ご、ごめん・・・」


それって、ええって事？

そう取るで？


俺の肩にある、神ちゃんのおでこ。


顔を覗き込むようにしたけど、
むずくて、顎に手をかける。


さっきより、ドキドキしてんの、なんでやねん。

勢いでしてもうたから。


今は、失敗したらどうしよって、震えそう。


神ちゃんが、
俺の肩から、少し、おでこ離して、

瞬きした。

長いまつ毛に縁取られた、綺麗な瞳。

ちっちゃな唇も。


ほんまにほんまに可愛ええ。


躊躇いながら、
顔を寄せていく間は、

たったの数秒やったんかもしれへんけど。

物凄い時間流れた気がした。


ふわっと一瞬だけ触れて離れる。


途端に幸せと寂しさが襲ってきて。


すぐにまた欲しなって。


もう、余裕なんかなくて。


今度はすぐに重ねた。


強引になってしもたかもしれへん。


最初は、やり方なんか知らんし。

小さな口に、自分の唇押し付けるようにしてただけやったけど。


意思とは関係なく、勝手に、
やらかい感触を、味わうように求めて動いてて。

神ちゃんが、甘い吐息を漏らして。

俺の肩を押した。


「神ちゃん、可愛え」


「しげ、なんでキスのやり方知ってんの？
初めてちゃうん？」


不安そうに聞く、神ちゃんが愛おしい。


「本能？」


言うたら、べしって、やられた。


「まあ、初めてではないけどな」


「えっ・・・」


「３歳の時にファーストキスは済ませてるから」


「しげ、覚えとったん？
ビニールプールのキス。
キリンさんの滑り台の上でした」


「当たり前やん！
大事なファーストキスやで！」


「ふは、ははっ。そうやな」


「あの時のとも、お腹ほんぽこりんで可愛いかった」


「だいかって。
あれはお腹にすいか入ってあったで」


「・・・神ちゃん、あのさ」


「ん？」


「前みたいに。
・・・ともって呼んでもええ？」


何気にめっちゃドキドキしてる。


「ええよ」


笑ってくれて、ほんまにほっとした。


「ほんまはさ、
小学校も中学も高校も。
呼び名、前に戻れたらなってずっと思ってた。
ともが先生の言うことは聞かなあかん！
強う言うからさ。
守っとってん。
けどもうええよな？」

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