Pretender３

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みんなの視線が一斉に俺らに向いた。


「なんとな、お化けが出て戦っとってん！
無事に帰還やで！」


「んなわけないやん！」


みんなからの総ツッコミ受けて、
しげは、げらげら笑ってる。


「なんやなんや。
ツインタワーに続いて、
かみしげも実は、あやしいんか？」


康二の冗談に、
俺はもう、
そわそわして仕方ないのに。


「そこは想像に任せるわ。
なあ、康二、かみしげって何やねん！」


しげは平然と答えてる。

そこがまた男らしいて、きゅんとなる。


「女子がつけたあだ名やって！
俺ちゃうって！
しげ、ドラキュラの牙取れてるやん」


「あー、向こうで取ってん。
邪魔やったから」


「ドラキュラちゃうやん。
ただの歯の多い重岡やん！」


そう言えば、キスした時、牙ぶつからへんかったもんな。


しげがいつ牙取ったんか、
緊張してて、覚えてへん。


祠での事、思い出してもうて、
顔も耳まで、かあって熱くなってきた。


気付いたら、俺の隣に、流星とのんちゃんが。


「神ちゃん、なんか赤ない？」


のんちゃんに指摘されて、
ますます熱が高くなる。


「そう？気のせいちゃう？」


答えたら、流星に、ふって笑われた。


「神ちゃん、幸せそうで良かった」


流星は鋭いな・・・


「え？え、あ、そういうこと！
神ちゃん、おめでと！」


のんちゃんは何故か、自分まで真っ赤んなった。


「ありがと」


照れる。

恥ずかしい。


しげのキス、カッコ良かったな。

キスだけやなくて。


何もかも。


今、みんなとふざけてる姿も。


クラスの連中にもみくちゃにされて、

おっきな口開けて笑ってる、しげは眩しくて。

空一面の星より、きらきらしてる。


俺の彼氏なんや、って思うと、くすぐったい。


みんなの輪の中から、
ちらっと、こっちを見てくれた。

目配せされて、
心臓が跳ねる。


二人になりたいな。


ほんまはもうずっと、二人きりがええ。


それで、ぎゅってしてて、キスして欲しい。


恋人の証拠、見せてくれて。

安心して、幸せな筈やのに。


前より、欲張りになってしもてる・・・

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