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思わず、でっかい声で呼んでもうたら。


「だい、声おっきいって!」


すぐそこの柱の影から声が聞こえて。

ぐいっと服の袖口、引っ張られた。


目の前には、ともの綺麗な顔のドアップ。


「しいっ」


人差し指立てる仕草に釘付けで、
息するんも忘れそう。


息を潜めてる俺らに気付かずに、
目の前を教授が通り過ぎてく。


ドキドキドキドキ。


静かな廊下に、
自分の心臓の音だけが響いてる。


教授が講義室に入るのを確かめてから、
大きく、ため息ついた。


「ふう。
見つからんかったな!」


「だいのせいで、サボってもうたやん」


「え?俺んせい?」


「そう!だいのせいやもん。
あんなでっかい声で!
俺、恥ずかしかった・・・」


「ごめんな?とも。
許してくれへん?」


「・・・どうしよっかな」


「ごめんって。
せや。どうせサボったんならさ、
1時間半も空いたし、
カフェでも行く?
ココアでも飲もうや」


「・・・許した」


結局、ともは、俺には甘いねん。

でへ。


大学構内にあるカフェに向かって歩きながら。


「クリスマスイブな、
俺んち、来おへん?
勿論、泊まりな!」


何気なく、切り出せたつもり。


「え?だいんち?ええの?」


「うん。
家族はおとんとこ行くしさ。
誰もおらんから」


「・・・うん」


「ケーキ買うてさ、
家でクリスマスもええやろ?」


「うん。
でも、イルミネーションは見たいから!」


「分かってるって。
実はさ、探した時には、
宿泊の予約いっぱいやってさ。
めっちゃ焦ってて」


「だい、そんな考えてくれとったん?」


「そら。二人で過ごす、はじめてのクリスマスやし!
あ。子供の頃はいつも一緒やったっけ」


「うん。
だいのお父さんがサンタになってくれた」


「あー、そんな事もあったっけか」


「楽しかったなあ」


ともが、あんまり懐かしそうに言うから。


「俺がサンタになったろか?」


つい言うても歌やん。


「ほんまに?」


「うん。サンタのコスプレ、まだ家のどっかにあるやろ。
とももなって欲しいけどな」


「俺はええの!」


「えー、つまらんの」


「だい、ありがとな。
俺、世界一の幸せ者や」

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fool(プロフ) - tmさん» ありがとうございます〜💕素敵なコメントに感動してます✨幼馴染設定、二人に似合い過ぎて、本当に楽しく書けました💕いつもありがとう〜💕💕 (2021年12月24日 13時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
tm(プロフ) - 完結おめでとうございます♡遂に完結してしまった、寂しいです( ; ; )笑初めての幼馴染設定も、切ない両片想いも、手探りで二人らしく少しずつ恋人らしくなっていくとこも、最後まで見守れて良かったです。これからも応援しています! (2021年12月24日 10時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - もちろん赤緑2作品楽しませてもらってますよー!またあちらでも挨拶させてもらいますっ! (2021年12月23日 17時) (レス) id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - みさきさん» ありがとうございます💕無事に完結を迎えられました💕新作にも遊びにきてね✨ (2021年12月23日 10時) (レス) @page46 id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやー、今回もドキドキキュンキュンハラハラさせてもらいました!また他作品も見させてもらってます! (2021年12月22日 21時) (レス) @page48 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool | 作成日時:2021年11月27日 9時

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