Pretender３

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「のどかな田舎町やで！
狸出たり」


だいが、にかって笑って答えたら、

のんちゃん、目をまん丸にした。


「現代で狸出るとこあんの？！
嘘やろ？」


「お前、あほか。
あるに決まってるやんけ。
猿や猪もおるっちゅうねん」


「絶対嘘やん！
神ちゃん、しげ、嘘ついとるんやろ？」


「いや、ほんまやで。
家の周りでは見かけへんけどな。
小学校の近くに、ごくたまにやけど、おったな」


「まじで！！！
しげの虚言か思たのに！」


「嘘つかへんわ！小瀧のあほ！」


わちゃわちゃやってるうちに、
高層マンションに到着。


「ひょー、すげー。
これが世に言うタワマンってやつか？
お前ら、かねもやってんな！
ドラマに出てきそうな暮らしやな！」


「しげ、普通のマンションやって」


流星が呆れ果てて、苦笑いした。

けど、俺もだいと全くおんなじこと思ってんな・・・







のんちゃんちのマンションの、
お隣さんが流星んちらしい。

キッチンで、のんちゃんと二人で料理。


春に姉ちゃんが結婚してから、
両親も仕事忙しいし、
妹のために、
俺がたまにご飯作ってるねん。

うちは、

姉、俺、妹っていう構成やから、
自然と女の子の得意分野には詳しい。


「なあ、神ちゃん、昨日デートやったんやろ？
戦利品の水族館！どうやったん？」


キャベツ切りながら、のんちゃんが聞いてきて。

山芋すりつつも、
昨日の事、思い出して、頬が勝手に緩む。


「うん、楽しかったで」


「しげ、もうあかん彼氏卒業してんや？」


「あ、うん。まあな。
俺があかんけどな」


「なんで神ちゃんがあかんの？
あ、さっき、やきもち妬いちゃったから？」


「見とったんよな、やっば」


「うん。
俺はシャワーして着替えてたから、
ちょっとだけな。
流星に聞いた」


「めっちゃ恥ずかしいねんけど」


「けど、しげ、必死で追っかけて来てんやろ。
カッコええよな」


「・・・うん」


うなづいたら、


「うわ、肯定された！」


からかわれてしもたやん。


「のんちゃんかって、
しょっちゅう、流星ん事、
カッコええ言うてるやんっ」


「しゃあないやん！
流星、世界一カッコええもん」


「はいはい。ご馳走様」

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