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「ちっちゃい声で分かれへんかったけど。
多分、こう言うてんやろ?
ぎゅってして欲しい、て。
当たり?」


なんで、どストレートに聞くねん。


「そんなん知らん」


「えー俺の勘違い?
いや、俺の願望が幻聴なったんか?」


「・・・しげ」


「ん?」


「しげも、俺と、
そのさ、ぎゅっとしたいとか、願望あんの?」


「神ちゃん、怒らんとってや?」


「うん」


「そんなん、めちゃめちゃあるに決まってるやん!
今、幸せ過ぎて溶けそうやもん」


「なら、なんで、早よしてくれへんかったん?」


「神ちゃん・・・?」


「俺、不安やってんからな!」


「・・・な、神ちゃん、え、まじで?
神ちゃんも俺とこうしたかった?
ならさっきの、
やっぱり聞き間違えちゃうよな?」


「もうそれはええの!忘れて!」


「嫌や。
神ちゃんがあんな事言うてくれるなんて。
俺の一生の宝物やもん」


「大袈裟」


「大袈裟ちゃうよ。
神ちゃんとの思い出は全部、俺の宝物やで」


しげが甘い声で話す度に、
耳元に吐息がかかるから。

それだけで、
心臓が壊れてまいそうやったのに。

こんな事、言われたらさ。


泣いちゃうやろ。


「神ちゃん、呆れた?」


黙ってる俺の顔、
少し距離を取って、
しげが覗き込んでくる。


顔、見られたくないのに・・・


「え?泣いてる?なんで?
俺、なんかあかん事した?」


「・・・嬉しいだけやから」


「嬉しいだけ?
良かった。
え?泣くぐらい嬉しいん?」


「うっさいねん、しげ」


思わず、顔上げてしもて、目が合うた。


絡まる視線。


沈黙が苦しい。


キスして欲しい。


お願いやから。


「そろそろ、みんなんとこ、戻らなあかんよな」


しげの呟きに、もっと泣きそうになってまう。


「そやな」


時間、どれぐらい経ったんやろう。

感覚ないねん。


この幸せが永遠ならええのに。


「神ちゃん、戻る前にさ。
俺なりに考えた証拠、見せてもええ?」


「う、ん、?」


しげが、もう一度、俺の手をぎゅってつかまえて。


そっちに意識取られてるうちに、
顔が近付いた。


ほんの一瞬だけのキス。

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fool(プロフ) - tmさん» ありがとうございます〜💕素敵なコメントに感動してます✨幼馴染設定、二人に似合い過ぎて、本当に楽しく書けました💕いつもありがとう〜💕💕 (2021年12月24日 13時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
tm(プロフ) - 完結おめでとうございます♡遂に完結してしまった、寂しいです( ; ; )笑初めての幼馴染設定も、切ない両片想いも、手探りで二人らしく少しずつ恋人らしくなっていくとこも、最後まで見守れて良かったです。これからも応援しています! (2021年12月24日 10時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - もちろん赤緑2作品楽しませてもらってますよー!またあちらでも挨拶させてもらいますっ! (2021年12月23日 17時) (レス) id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - みさきさん» ありがとうございます💕無事に完結を迎えられました💕新作にも遊びにきてね✨ (2021年12月23日 10時) (レス) @page46 id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 完結おめでとうございます!いやー、今回もドキドキキュンキュンハラハラさせてもらいました!また他作品も見させてもらってます! (2021年12月22日 21時) (レス) @page48 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool | 作成日時:2021年11月27日 9時

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