【短編集】夢を見た (ページ30)

今日:27 hit、昨日:34 hit、合計:19,417 hit

🐿️乞いてでも欲しいページ30

高校生

大人といえば大人かもしれないだけど、親や大人からの援助も必要な年であるにも関わらず私の家は長いこと育児放棄されていた

それこそ昔は保健所からの観察も入っていたが、今はもう育児放棄にも慣れて自立した生活を送れる様になってしまった

それでも周りを見渡したときに、寂しさを感じる

誰も私のことを大切にしてくれないことに

家族だからと言って無償の愛をくれるわけではないことを知ってからドラマや映画も馬鹿馬鹿しく見えて何も見なくなった

そうしていくうちに段々とつまらない人間になった私は学校でも爪弾きにされた

そんな中、音楽だけは助けてくれた。

音楽だけは私を包んで抱きしめてくれた。

私に活力をくれた。

その中でもホンジュンという作詞作曲をこなすアーティストにであってから人生はがらりと変わった

社会から爪弾きにされた私に踏ん張る様に闘争心を煽る様な歌詞
に焚き付けられるように日々生きている

彼ならこんな素敵な歌詞を書く彼ならわかってくれるのではないか？と期待していたのだ。

学校でも一人、家でも一人

孤独を過ごす私に微笑んでくれる気がした。

アルバムをリリースした際にファンイベントに参加した
そこで彼に伝えた

「オッパ。嘘でも良いから『君が大切だよ。』って言ってください」
もうこの一言が聞けたら私のこれまでの人生が報われるような気がする

『嘘は良くないよ。君の周りにも君を大切に思ってくれる人はきっと居るはずだよ』

失望した。

彼ならきっと言ってくれると思ったのに。

そこら辺のつまらない大人と同じことを言ってきたことに失望した。