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「いえ、とんでもないです。どうかしましたか？」
YN「もっとお話したくて」
ああ、いつもと同じパターンか…
「いいですよ。何が知りたいですか？」
YN「出身は？」
「ソウル特別区です」
YN「好きな食べ物は？」
「甘い物です。バターケーキがとくに好きです」
YN「へぇ……」
YN「休日は何をされてますか？」
「買い物や運動色々してます。活動的なんです。姉は昔陸上部だったので運動神経も抜群ですよ」
目の前のユノさんは目をぱちぱちと瞬きさせる。
「ユノさんも運動好きですか？でしたら姉と気があうと思いますよ」
私は視界の端に入ったローストビーフに手を伸ばしてお皿に盛る
YN「ハハッ…あなたはさっきからお姉さんのことばかりだ。僕はずっとあなたのことを聞いてたのに…」
まばたきするのは私の番だった。
ユノさんの方を見たけど彼ははにかみ「教えてくださいませんか？Aさんのこと…」と言う。
驚いた。
今までの人たちは姉と付き合いたいがために私に近寄ってきて、姉について聞いてきた。
そして私も姉のいいところを精一杯つらつらと並べて返事をしていたからきっと、この人も同じだと思って返事をしていた。
YN「僕はあなたに興味があります。あなたの好きを教えてくれませんか？」
目の前にいる彼は王子様のようだ
途端に緊張して出た言葉は
「………食べること？」と可愛げも無い言葉に彼は、大口を開けて笑い始めた「やはり食べることが一番なんですね…さっきも言いましたけど僕も好きなんです。あっちにはこれと違う部位のローストビーフがあって美味しいですよ。行きましょう」と手を取られてバルコニーに行く
初めて来たバルコニー
空が開けて夜空が綺麗に広がる
彼の目線を合わせるように顔を上げた途端に背景の星がきらきら煌めいた気がした
「わっ、わたし星が好きです！」
彼は「やっと君の好きが聞けた」と軽く微笑んだ
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作者名：えむ
| 作成日時：2023年7月30日 1時
