【短編集】夢を見た (ページ11)

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ホテルを目指して歩く途中に名前を呼ばれて少しした後、汗ばんだシャツと熱が私を包む

SN「A！良かった無事で……っ見つけた…ハァ…」
サンは息を切らしていて、額にも首にも汗が流れている

SN「ごめん、A」

短く息を切らしながらまた謝る

「サナは何もわかって無い…」
涙が出てきた。
サンの上下する胸を叩く
何もわかって無いよ。私がどれだけ寂しかったか…

上京したてで友達も居ない中、同じ状況にいたサンは私にとって心の支えだった。

サンが居たからソウルでの生活も楽しかった…

急にサンが私を見捨てた様で寂しかった

でも、楽しそうにしているサニを見たらそれを正直に伝えられなかった

SN「わかってなかった。Aの気持ちも考えてなくて…自分だけ楽しそうに話してて」

SN「Aがいつも優しく話を聞いてくれるから甘えてた」

SN「ごめん…」

「嫉妬しちゃったの」
情けなくて笑うと、真剣な顔つきで「無理して笑わないで」と頬をなでる

SN「僕が悪いんだ…Aの気持ち全くわかって無かった。楽しくて浮かれてた…出会った時からAが心の支えだよ」

SN「Aが居なくなって怖くて怖くて心配だった。Aにどこかに行かれたらこんなに楽しく笑えないし過ごせない。それぐらいAは僕にとってかけがえのない人なんだ」

SN「だから、別れるなんて言わないで…一緒にお家帰ろうよ」

と手を出す。

その手は震えていて、なんだか寂しそうに見えて手を掴んだ

サナ…私もあなたと同じで独占欲が強いのかも。
ぎゅっと力を込めてサニの手を握るとサニは幸せそうに笑って私の顔を覗きこんだ

fin