♯23 side A ページ23
お疲れ様。って、声をかけたら
釣られるように笑うA。
でも、たぶんそれは本当に笑ってない。
どうせ
迷惑をかけないように
心配をかけないよに
篤人も頑張ってるから
なんて、思ってたんだろうな。
言わなくてもわかる、そんくらい。
それに、それが悪いことではない
俺だって、そう思ってるしね。
遠距離なんて言葉以上な距離だけど
それでも
俺にはやっていける自信はあるから。
だって、俺がブレなきゃいいから。
篤「おいで。」
腕の中に閉じ込めた瞬間
わんわん泣き出すA。
でも
今日はせっかく
手の届く距離にいるんだから
今しかできないことをしてあげなきゃね。
「がんば…ってる…から。
篤人も…がん…ばっ…てる…から…」
篤「うん、わかってるよ。
ちゃんとわかってるから。」
きっと、俺の試合のニュースは
無条件で耳に入ってくるだろうしね。
篤「あ…つとに…あいた…かった」
わーって声を出して泣いてる姿は
初めて見た。
泣き顔を見たとき
初めて離れてることを後悔した。
泣き止んだと思ったら
そのまますーっと眠りについてしまった。
心なしかちょっと穏やかな顔に見えて
少しだけ安心した。
俺にできることはしてあげたい
それだけ
俺も支えてもらってるからね
前髪をそっとわけて
おでこにチュッってして
俺は定位置のソファに戻って
いつものように過ごす。
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作者名:mamico | 作成日時:2014年8月11日 21時