再会(2) ページ25
「日和……?」
後ろからやって来た桐嶋くんは驚いたように言葉を発する。
なぜ桐嶋くんがひーちゃんのことを知っているのだろう。
いや、まさか…
「あぁ郁弥!久しぶりだね!」
久しぶりっていっても一ヶ月も経ってないだろ、そうだね、と言い合っている二人を見て憶測が確信に変わる。
「ね、ねぇ。
ひーちゃんのアメリカにいる親友って…」
恐る恐るそう尋ねてみるとひーちゃんはにこっと笑った。
「そう、郁弥だよ。
あれ、Aちゃん知り合い?」
キョトンとした顔で聞いてくるが、もう私は顔面蒼白だ。
まさか相談している内容がひーちゃんの親友の話だったなんて。
「…保健委員が一緒。
あと僕がマネージャー誘った。
…日和はなんで知ってるの?」
黙ったまま俯いている私の代わりに桐嶋くんが答える。
が、事態はさらに悪化した。
なぜなら私は相談しているときにマネージャーに誘われたことと相手が保健委員になったことを伝えているのだ。
「幼なじみなんだ。」
そう言ったひーちゃんをちらりと見ると少し驚いた顔でこちらを見ていたが、目が合うとへぇ、とニヤリと笑った。
これは完全にバレている。
別にひーちゃんにバレて困ることはないが、勝手に親友に動きが伝わっているのは桐嶋くんだって嫌がるだろう。
「ひ、ひーちゃん…。」
どうにか言わないようにしてもらわないと、と目で訴えると伝わったようでクスリと笑われた。
「…ねぇ、Aちゃん。
僕、この後、佐々木…先生?のとこ行かなきゃいけないんだけど案内してくれないかな。」
物理室ってどこ?とニコニコ笑いながら言ってくる。
「…いいよ。
桐嶋くん、悪いんだけど部活遅れるって言っといてもらってもいいかな?」
これは話をしようということだろうな。
まぁ、仕方ない。
「…僕が案内しようか?日和」
桐嶋くんはいつもより幾分か強い目でひーちゃんに問いかけるが、
「大丈夫。
郁弥は水泳に専念してて」
ひーちゃんは微笑みながら上手くかわしている。
仕方なさそうに桐嶋くんが頷いた。
「ごめん、よろしくね桐嶋くん」
行こ、ひーちゃんと私は後ろを振り返らずに前に立って歩き出す。
だから、このとき何があったかなんて一生知らないままなんだ。
「……郁弥には渡さないよ」
桐嶋くんとすれ違った瞬間、ひーちゃんが言った言葉なんて。
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最近、ユーリ・プリセツキーにどハマりしました。ユーリoniceすごく良いですね。
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まいまい☆ - トキヤloveさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。リクエスト、ありがとうございます!とても助かります。今書いているside:IKUYAシリーズが終わり次第、書かせて頂こうと思います! (2019年9月29日 18時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - まいまい☆さん» こんばんは お疲れ様です。続き気になります。主人公が郁弥に、頬っぺたにキスしてほしいです。郁弥が、主人公に名前で呼んで欲しくて、壁ドンして、ほしいです。主人公も、お返しに、いつもドキドキさせられて、ばっかりだから、頬っぺたにキスしてほしいです。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: e59d869c74 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - 凛大好きさん» こんばんは、お久しぶりです。コメント、ありがとうございます。頑張りますね! (2019年9月25日 23時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
凛大好き(プロフ) - まいまい☆さん» こんばんは お久しぶりです。更新ありがとうございます。続き気になります。頑張って下さい。 (2019年9月25日 23時) (レス) id: 666c266cdc (このIDを非表示/違反報告)
まいまい☆ - トキヤloveさん» 沢山のリクエスト、ありがとうございます!ポッキーゲームとクリスマスは前作でやらせて頂いたので、とりあえず郁弥sideのものを書かせて頂きますね!他のリクエストが来なかったり、話が余ったりしたら最初の二つも書かせて頂きます。 (2019年9月16日 20時) (レス) id: e4e68df0f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいまい☆ | 作成日時:2019年7月30日 18時