妖界ナビ・ルナ～彼に恋した半妖怪～part６ (ページ9)

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第６.８話　巻物の続きと意味ページ9

「いひ伝えたる御子あらはれ給はは
悠久の玉の力かぎりなし
そを得は我が妖しの力
いや増しに増さむ

聖玉のゆくへただ御子のみそ
知り給ふ
玉御許へ戻りなは･･････」

次に、タイ兄の残して行った巻物を読んだ。

「天の下いみしうない振るへし
いひ伝えたる御子
ふたりにてまします
闇を継きし御子五色の宝物のもとへ
みちひき給ひ

光もつ御子そを手にしまつり給はは
聖玉あらはれるへし
光もつ御子ともに聖玉を手にしとき
いつれか魂の力まさりしものにより
天地のゆく末定まらむ」

この二つの巻物は、元は一つの物だったよう。
破れ目がぴったりとあった。

もっけは腕を組んで巻物を読んだ。

人間姿で居るもっけはどこから見てもふつうの少年なのに、
こうしているとふくろう姿のもっけのイメージと重なる。

もっけは私に分かりやすいように、
現代で使われている言葉に置き換えてくれた。

「伝説の子があらわれた時、悠久の玉の力が最大になる。
それを手に入れたならば、我等妖怪の妖力は最大のものとなる。

しかし、悠久の玉のゆくえは、伝説の子だけが知っている。
もし、伝説の子のもとに玉が戻ったならば」

「世界はふるえる。伝説の子は2人。
闇を継承する御子が、五色の宝物のありかへ導き、

光をもつ御子がそれを手に入れてまつった時、悠久の玉はあらわれる。

光をもつ御子と闇を継承する御子、共に悠久の玉を手に取り、
いずれか力強き者の魂により、世界の行方が決まる。」

もっけは説明した後、私に言った。

「ここで言う『光をもつ御子』とは、たぶんAの事だと
思う。そして、『闇を継承する御子』とは、タイの事だろう」

「預言書の五色の宝物とは、木火土金水の五つの玉の事ね。
この玉の在り処をタイが知っていたという事だわ。

それで、Aがこれをまつれば、悠久の玉があらわれるって事だったの。
実際にまつったのはタイだったけれど。で、最後が肝心なところ」

「どちらかの気持ちの強い方が、人間界の行方を決められるって事……」