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第6.6話 ここに居るってば ページ7

A「スネリ、生き帰ってくれたんだね。」


私が言うと、スネリは何度も頷いた。


「Aのおかげよ。瀕死の状態なのに
術を使ってくれて……ありがとう、A」


「スネリこそ……ありがとう。生き帰ってくれてありがとう」


そう言いかけて、私はスネリに問いかけた。


「そうだ……もっけは? もっけも生き帰っているよね」


スネリは涙の光る顔で微笑んだ。
それを見て、私は安心して頷いた。


「良かった。どこかに行ってるの? すぐに帰ってくる?」


すると、スネリはちょっと悪戯っぽく笑うと、私に言った。


「もっけは何処にも行っていないわ。さっきからここに居るわよ」

「…………?」


私は仰向けに寝ている状態で、目だけを動かして、部屋中を見渡した。
そこで初めて、ここが『たつぼしハイツ』である事に気付いた。

部屋の中は昨年の大みそかの夜、
夜鳴島に向かった前と少しも変わっていない。


しかし、部屋の中に、もっけの姿はどこにもない。

スネリと、見知らぬ少年が1人居るだけ。
そうして見まわしてみても、いつものもっけの姿が見えないので、


「どこに居るの?」


とスネリにもう1度聞いた。
答えたのはスネリではなくて少年だった。


「さっきからここに居るし」

「…………?」


それでも、分からないというような顔をすると
スネリは少し吹きだした。


「だから、おいらはここに居るってば」


私はその一言で驚いて、飛びあがりそうになった。
実際には体中が痛くて出来なかったけれども。


「えぇ……っ!? 嘘……! その声、まさか」


私に向かって、小さくVサインをした。

第6.7話 カッコ良くなっちゃったよ 170個目→←第6.5話 生き帰った妖怪


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作者名:フェイル | 作成日時:2011年2月20日 22時

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