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第6.34話 小さな赤い実 ページ35

中腰で観察していた私が、のびをしようとした時。
ふと、違和感のある物が私の視界に飛び込んでくる。

小さな赤い実。
花豆ほどの大きさの、まるでトマトの様な赤い実があった。


「スネリ、これ見て」


私の声にそれを見たスネリも、驚いている。


「これは……枯れた筈の紅見草が、実を結んでいるの?こんな事って……」

「もしかしたら、この実が全てのカギを握って居るのかも」

「A、気をつけて」


私はスネリに目配せをすると、
赤い実に向かって九字を切った。


「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前」


右手が、空を縦横に切る。
すると、赤い実が徐々に大きくなっていった。

風船がふくらんで行くようだ。

私とスネリは息をのんで、
少し離れたところでその様子を見守った。

小さな実が、赤ん坊が入るほどの大きさまでふくらむ。


『私の眠りをさまたげた者は、だれ』


赤い実の中で、小さな女の子の声がした。
しかし、私とスネリの耳には聞こえない。

その変わりに、再びの頭痛が私を襲った。
まだ軽い痛みだったので、気にせずに実に近寄って行く。


『悪しき力を持つ者なのか!』


女の子の声は鋭いものになったが、
やはり私達の耳には聞こえない。


「紅見草の精霊さん?」


私がおそるおそる呼びかけた。
赤い実からは返事がない。

お互いの声が聞こえて居なかった。


「貴方が毒の煙をはいて、村人達を病気にさせたの?」


少しずつ近付きながら、話しかける。
やっぱり赤い実は答えてくれない。

私がもう一歩踏み出そうとした時、
再び、するどい声がした。


『こないで!』


その時、一気に頭痛が酷くなって、私はうめいた。
そして声は聞こえなくても、気を察したスネリが叫ぶ。


「A、危ない!」


赤い実に、ぽつりと小さな穴が開いたかと思うと、
不気味な黄色い粒子が飛び散った。

私は咄嗟によけたが、粒子が次々と穴から吹きだし
四方八方に黄色い粉が舞いあがった。

第6.35話 黄色い粒子の力→←第6.33話 ドライフラワーのように


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作者名:フェイル | 作成日時:2011年2月20日 22時

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