妖界ナビ・ルナ～彼に恋した半妖怪～part６ (ページ25)

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第６.２４話　明日の計画ページ25

「日向村?」

私が言うと、おかみさんは事件を
思い出したのか、顔をしかめた。

「そうだよ。昔っから、日向村は穏やかな、良い村だったんだ。
まさか、あんな酷い事が起こるなんて、だーれも思ってなかった」

私はおかみさんの話を聞いて、
紅見草を見てみたいと思った。

おかみさんは良く知っている。だから聞いてみた。

「今も、日向村では紅見草が群生しているんですか?」

おかみさんは、ふと考えるように
天井を見つめると“はて”と言う。

「そういえば、日向村でも見なくなったねえ。私の子供時代には
まだあったのに。いつの間にか、なくなっちゃったんだねえ」

おかみさんはしみじみと呟いていた。

「…………」

～・～・～

部屋に戻った私達は、明日の計画を立てた。

「もう一度、もえぎちゃんに会って泣き声の事を聞いてみたいの」

私が言うと、二人も賛成してくれた。

「もえぎちゃんが聞いた泣き声と村の事件は、
なにかしら関係があると思うわ」

「おいらもそう感じた。声の主が動物か風か
わからないけど。きっと何かのヒントになるな」

私は、もえぎちゃんの強い眼差しを思い出した。

「もえぎちゃんに助けを求めている者の泣き声かな。
もえぎちゃんなら、声を聞いて助けてくれると思っているのかも」

その言葉に、スネリは驚いたようだった。

「Aはそう解釈したのね。助けを求める……なるほど……」

「もえぎを村に連れて行って、
声の主を探り当てたいんだけどなあ。無理かな」

その提案に、私は一瞬考えてしまった。
けど、スネリは即座に“ダメ!”と反対した。

「危険すぎるわ」

「……うん、呪符を飲んでもらったところで、
もえぎちゃんに何かあったら大変だもんね」

そう言うと、もっけは途端に項垂れた。

「やっぱ、無理だな」

「当たり前よ。明日はまた役場に行って、
もえぎちゃんにもう少し、話を聞かせてもらいましょう」