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第6.21話 小さな女の子の声 ページ22

もえぎちゃんの話を聞いて、もっけは思い出すように言う。


「確かに、かすかだけどおいらにも聞こえた。
小さな女の子の泣き声のようだったぜ」


私とスネリは顔を見合わせた。


「ねぇ、もえぎちゃんは日向村で、他にもなにかの声を聞いた事があるの?」


もえぎちゃんは空をあおぐと、指差した。
民家の屋根に雀がとまっている。


「空から、『お腹がすいた』って聞こえたの。
それから、学校の帰り道で『つまらないな』って声も」

「鳥の声、だったのかな」


「多分。つまらないと言っていたのは、ヤスばあちゃんちの
チビだったかもしれない。丁度ヤスばあちゃんが風邪をひいて
しまっていて、散歩に連れて行ってもらえない頃だったから」

「凄いね、もえぎちゃん」

「Aちゃんだって、動物の声が聞こえるんでしょう」


そう言われて、私は苦笑して返した。


「実は、スネリの言葉だけなの」

「私も、いつも聞こえている訳じゃないよ。
スネリちゃんの声も聞こえないもん」


もえぎちゃんは、スネリをなでながら言った。


「けど、おかしいね。もえぎちゃんは、犬のチビや雀の声は
わかったんでしょう。でも、今回の泣き声は誰の声かわからないなんて」


もえぎちゃんは私から目を逸らすと、ブランコへと歩いて行った。
そこへ腰かけて、ゆらゆらとこいでいる。

その様子を見ていると、ふと足に小さい衝撃を感じて俯いた。


サッカーボールが転がってきている。
汚れても居なく、ただ忘れ去られたボールのようだ。

持ち主が居ないようなので、それを足でポンッと持ちあげた。


トンッ トンッ


「それ、いつの間に持ってきたんだ?」


小声で聞いてきた。


「転がってきたの」

「ふーん」


もえぎちゃんは私がサッカーボールで
遊んでいるのを、興味津々に見つめていた。

第6.22話 サッカーボール→←第6.20話 遠いものを感じて


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作者名:フェイル | 作成日時:2011年2月20日 22時

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