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第6.2話 命を犠牲にしても。 ページ3

私はそれを驚いて見つめていた。

それから、意を決したように立ちあがると
解けかけたポニーテールを縛り直し、


「天の父さん、母さん、そして都和子先生。私に力を貸して下さい」


そう祈り、ペンダントを持つ右手を掲げた。


「謹んで、泰山府君、冥道の神々に申し上げます!」


私の決意。それは、スネリともっけを生き返らせる事だった。
陰陽道の極意を持ってすれば、生き返らせる事も可能かもしれない。

私の中の陰陽師の血が、そう告げていた。

しかし、それは簡単な事ではない。
私は自分の命と引き換えにしても、と覚悟していた。


祈り唱えながら、ステップを踏む。

手足は冷たく、凍え死んでしまってもおかしくない程の気温なのに、
不思議に寒さは感じない。

ステップを踏み始めて1時間。
しかし、スネリともっけの体に変化はない。


二時間、三時間と経過すると、私の顔色は青白く、唇は紫色になった。

手足の感覚は既に無く、凍傷を負っているようだった。
それでも、足取りを乱すことなく、ステップを踏み続ける。

しかし、再び夜明けが巡ってきても、スネリともっけは冷たいままだった。



〜・〜・〜



そして、私はいつの間にか夢を見る……。

私は両親と双子の兄、タイ兄との4人家族。
海の見える丘の上の小さな家で暮らしている。

爽やかな朝。


素早く支度を済ませたタイ兄が、
“A、先に行くぞ”と登校して行った。

今日、タイ兄は学校で用事があったんだっけ。
そう思いながら、時間通りに家を出た。

第6.3話 中学校生活→←第6.1話 泣いた数


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作者名:フェイル | 作成日時:2011年2月20日 22時

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