妖界ナビ・ルナ～彼に恋した半妖怪～part６ (ページ14)

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第６.１３話　長く感じた筈の時間ページ14

一秒一秒が長く感じ、しかし短いものでもあった。
私の目の前に、まだ完全に顔を見せていない太陽がある。

しかし、ふと気付くと一日の始まりを告げるように
完全に顔をのぞかせていた。

それに気づいた時、ふと声が聞こえる。

「おーい」

「! ……もっけ?」

聞きなれた声だったから、すぐわかった。
ふくろう姿のもっけが飛んできて、近くまで来ると人間姿に変化する。

幸い、周辺には人の気配がなかった。

「やっぱりここだったな」

「……やっぱり……って?」

「……うん、なんとなくここに来てみたからな」

ちょっと考えてからそう言う。

「……そうなんだ」

どうしてここに居るのか、とか聞かれるかと思った。
でも、何も言わずに隣に座る。

「えっと……。今日、出発なんだよね……」

「あぁ。もうすぐ出発だからむかえに来たんだけど」

「あ……う、うん。もう少しだけ、ここに居させて……」

「別に良いけど……どうしたんだよ?」

「……･･うん……」

喋ると涙が零れてきそうな気がして……。

頷くだけで精一杯だけど、なにか言っちゃった方が楽なのかな、
とか思っていたり……だから、勇気を出して言ってみた。

「あ、あのさ……二人は……もう、死なないよね……」

私がもっけを見ながらそう言うと、もっけもこっちを見る。
お互い、表情から答えを導き出そうとした。

「もしかして……あの時の事があったからか?」

「う……ん……」

また頷いた後に、俯いた時。
堪え切れなくなって、私の頬に涙が流れた。