妖界ナビ・ルナ～彼に恋した半妖怪～part６ (ページ12)

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第６.１１話　妖しい力にページ12

昼食の準備が終わったスネリは、
座ってテレビのチャンネルを変えた。

すると、丁度変えたチャンネルでニュースが流れていた。

『日向村では、村民が次々と原因不明の熱におかされ、
倒れて行くという、奇怪な事件が相次いでいます。
村民は隣町の役場に避難し、○○県警では原因の究明に急いでいます……』

「奇怪な事件…………」

「……。もしかして……まだ、居るのかもしれない」

そう言うスネリの表情がくもっている。

「私も、Aに生き返らせてもらってから、
妖力が増したようなの。鼻だけじゃない、体全体が反応するのよ」

「……なにに?」

私は質問しながらも、その答えがなんとなくわかっていた。
知りたくないと思いつつ、聞いてしまった。

「妖しい力に」

「……(やっぱり……)」

「それは……この事件が妖怪の仕業って事か?」

「妖怪でないのかもしれないけど、
人間の力を超えたものである事は間違いないようだわ」

「……そんな……!」

たまらなくなって叫んだ。

「封印したのに。こっちの世界に隠れている妖怪が居れば、
それも全部、妖界にかえして、封印したのに。
悠久の玉を使って! 失敗だったって事……?」

スネリは目をふせて、首を振った。

「そこまではわからないのよ。でも、妖しい力を感じるの」

三人の間に、おもたい沈黙が落ちた。
巻物を読んだ時から、感じていた事だ。

「放っておけないな」

その沈黙を破るように、もっけが口を開いた。

スネリが“そうね”と言っても
私は下を向いたまま、顔をあげられなかった。