76 ※甘 ページ16
キヨさんの舌が私の口内で激しく動き回る。
それがなぜか気持ち良くて、目が潤んできてしまう。
こんなキスをするのは初めてで、心臓はドクドクしているし、息の仕方が分からなくて苦しい。
思わずキヨさんの胸をドンドンと叩くと、キヨさんはようやく離れてくれた。
少しの沈黙が流れて、キヨさんがポツリと呟く。
キ「…ごめん。ほんとはもっと我慢しようと思ってたけど、限界だった。驚かせたよな、本当にごめん」
私が嫌だったと思っているのか、眉を下げて申し訳なさそうにしゅんとしているキヨさんに、慌てて弁解する。
『ち、違います！ 嫌だったとかじゃなくて、その…私、ずっとキヨさんのことが忘れられなかったから、男性とお付き合いしたことがなくて。
だから、あの、こういう経験が初めて…なんです…』
20代後半にもなる女が経験ないというのは、男性から見たらきっと面倒なんだろう。
そう思ってあまり言いたくなかったが、あまりにもキヨさんが落ち込んでいるので思わず口にしてしまった。
キ「…嫌じゃなかった？」
『嫌なわけないじゃないですか…！ むしろその…私にも下心は、ありますよ…？ でも経験ないのって面倒なのかなとか思ったら、言い出せなくて…』
もうここまで言ったら正直に言ってしまえ、と勢いに任せて気持ちを伝える。
私だって人間だ。三大欲求くらいある。
それが大好きな人相手なら尚更だ。
『すみません、なんか私すごいこと言っちゃっ…！？』
そう言いかけたとき、キヨさんが私の手を取って立ち上がった。
キヨさんに引っ張られるがまま向かったのは、寝室。
キ「あのさ、勘違いしてるみたいだけど」
私に背を向けたまま、キヨさんが言う。
キ「好きな人の初めてが自分って、相当嬉しいから。
…しかも、理由が俺のことが忘れられなかったからとか、煽ってるとしか思えない」
そう言って寝室の扉の前で立ち止まって振り返ったキヨさんの顔は、少しだけ紅い気がした。
キ「…寝室入ったら、もう我慢できないけど、いい？」
真剣な顔で聞いてくるキヨさんの目を、恥ずかしくて真っ直ぐ見ることが出来ずに俯いた。
そして、小さく頷いた。
―――
キ「Aちゃん、好きだ」
『キヨ、さん…私も好きです、大好き…っ』
キヨさんと繋がったときの痛みが、幸せに感じた。
キ「ごめん、痛い？」
頬を伝う涙を拭いながら、キヨさんが尋ねる。
『幸せの涙です』
それはそれは、甘い夜だった。
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みやこ(プロフ) - Hisui4029802011さん» Hisui4029802011様、コメントとリクエストありがとうございます☺️初めての作品が私のもので楽しんで頂けたのなら嬉しいです✨これからも頑張ります！リクエストの方は番外編の方で書けるものから書かせて頂きますので、お待ち頂けますと幸いです♪ (2022年1月10日 12時) (
レス) id: 49dadc6dbe (このIDを非表示/違反報告)
Hisui4029802011(プロフ) - 実は私が1番最初に読んだキヨの夢小説はこれなんです!!!!!!みやこさんこれからも頑張ってください！！そしてリクエストなんですが番外編でバレンタインや夢主ちゃんの誕生日、(キヨの誕生日)などその辺のお話が見たいです!!お願いします (2022年1月9日 19時) (レス) @page48 id: 0a62372466 (このIDを非表示/違反報告)
みやこ(プロフ) - ふて寝さん» ふて寝様、初めまして。作者のみやこです。初めてのコメントを頂けてすごくすごく嬉しくて、朝から感動しております…！お気遣いまでありがとうございます(;_;)本日中に続編公開予定ですので、ぜひお付き合い頂ければ幸いです✨宜しくお願いします！ (2021年12月28日 8時) (レス) id: 49dadc6dbe (このIDを非表示/違反報告)
ふて寝(プロフ) - うわあああああ、めちゃくちゃ泣きました、、😭こんなに素敵な作品作れるのすごいです…続き楽しみにしています😌お無理なさらず！ (2021年12月27日 11時) (レス) @page47 id: 7d0cce2898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みやこ | 作成日時：2021年12月19日 23時
