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キ「落ち着きましたか？」
いつの間にか、看護師さんは出ていったようだ。
キヨの優しい低音の声が、私の耳をくすぐってストンと体内に収まる。
さっきまでこの声を聞いているだけで緊張ガッチガチだったのに、泣いて緊張がほぐれたのだろうか。いつも動画を見ているときみたいな安心感を感じた。
『はい…すみません』
ああもう、泣いたせいで鼻詰まってすごい声してるよ。
……私、キヨと会ってから何回「ああもう」って思ったんだろう。
キ「良かったです。それでえっと、Aさんは俺の視聴者…ですか？」
恐る恐る、という風にそう尋ねたキヨに、そうですと頷いてみせる。
それを聞いて、キヨはさっきとはまた違う困惑の表情を見せた。
そりゃそうだ、キヨにとっては自分が怪我をさせてしまったスタッフに謝罪にきたのに、事情を知らない人から見たら自分のファンのお見舞いにきているように見える。
ただのスタッフならまだしも、私はスタッフであり、キヨの一ファン。個人的に見舞ってしまうのはまずいだろう。
誰かに見られてしまうのも困るだろうし、私もほかのファンに申し訳ないし、早急にお帰り頂こう。
『とりあえず。私は生きてて、この程度の怪我。心配ご無用です！ 謝罪に来て頂いたのはありがたいですが、謝罪の必要はないと私が言っているので本当に気にしないでください！
そして誰かに見られないうちに早くお引取りを…！』
もしかしたらさっきより早口かもしれないけれど、状況が状況なので仕方ない。
キ「でも…せめてお詫びに何か…」
キヨは視聴者にこんなこと言っていいのか、と迷いながらそう口にしているように見える。
私はビシッと折れていない左手を真っ直ぐに出して、その低案を断る。
『大丈夫です！ むしろ一ファンにこんなことしないでください！ あなたの代わりに私が怪我出来て、さらに会ってお話出来ただけで幸せです！ ありがとうございました！』
そんな私を見て、キヨはポカンとしている。
そして、フッと笑った。
……笑われるようなこと、言っただろうか。
次は私がポカン、とする番だった。
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みやこ(プロフ) - きょちゃちゃさん» きょちゃちゃ様、コメントありがとうございます( ¨̮ )不定期更新にはなりますが頑張ります！楽しんでお読み頂けると幸いです☺︎︎︎︎ (2022年12月17日 23時) (
レス) id: 49dadc6dbe (このIDを非表示/違反報告)
きょちゃちゃ - んんっ...続きがめっちゃ気になります...！更新楽しみにまってます！ (2022年12月9日 9時) (レス) @page22 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みやこ | 作成日時：2022年10月7日 14時
