もう必要ないよ (ページ9)

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会社の決まりで後ろ向いてお辞儀しながら言わなきゃいけないんだけど

気合い入れた挨拶しながら顔を上げたら

めちゃくちゃ推しに雰囲気が似てる人が乗っていて

一瞬言葉止まっちゃった

お客様は私の動揺に気づいてないようで安心した

落ち着け、A、今丁度日本に来てるとはいえ

私の運転してるタクシーに乗ってくる訳ない、、、

落ち着いて接客続けなきゃ

「どちらまで行きますか？」

「おー、、ここまで、おねがいします」

ネイティブでは無いけど上手な日本語とともに

翻訳機で韓国語から日本語に翻訳された住所が表示されている携帯を差し出されて

韓国語が書いてあったことによりお客様は恐らく韓国人だと分かった

韓国人だから雰囲気が似てるに違いないと思いたい

「かしこまりました、住所入力しますので少々お待ちください」

何故かお客様から凄く視線を感じる、伝わってるか不安なのかな

後ろから視線を感じるせいか変な緊張感の中ナビに住所を入力する

入力しを終えたので携帯を返そうと後ろに振り返る

「お客様」

携帯からお客様へ目を移しながらお礼を言おうとしたら

「携帯、、、っ」

帽子とマスクの隙間から目が見えて言葉が詰まった

そして目と目が合った瞬間私は気づいてしまった

「、、ありがとうございました」

私のタクシーに乗ってきたのは推しのドヨンくんだ