【無印】ジョーカーとルーラー (ページ13)

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確か夏休み直前くらいに帰ってきてさ、その時に知ったんだよね。
対戦校をしったのもそん時。

その後は冬にもう一回海外留学して、2年に上がってからは短期転校。
その時あっきーなと知り合ったんだけど…まぁこの話はいーや

エイリア学園の話も知ったよー、勿論。
けど帝国のサッカー部は、私と鬼道以外は入院してたし、第一帰ってきて1週間したらサッカー部壊滅からの学校が廃校同然とか、ホント笑えないよね！
まぁ普通に笑うんだけどねー

そんでそのまま帝国で普通の学生生活を送って、FFIでマネージャーっていう訳。

とくにこれといって山も谷もオチもない、なんてことない話だったでしょ

ただ聞きたかっただけだからいいって？
ほんと物好きだねー

………

…あぁ、その事

あぁ知ってたよ、そりゃ勿論。
事後報告だったけど、知ってたよ、知ってて黙ってた。

私の事憎い？
憎んで良いんだよ。
見当違いな憎しみだけど、君にはそうする権利が、たとえ理不尽であっても、他人を憎む権利がある。

しないのー？えー、やーさーしー！

…いや、違うな

うん、違う違う、さっきのは何か違うな
さっきのは私らしくないね、やめよーか。

「お前、やっぱ変わってないけど、何か変わったな」
「えー、そう？？」
「あぁ。」

目の前の男は、昔と比べてどこも変わってな
った私を見て、どこか無邪気な様子で、ふっと笑った。

「修也さー、あんま他の奴らにはその笑顔見せてないよね。」
「…お前や家族の前で出るだけだ」

今度は照れ臭そうに目を逸らす。
表情豊かだなぁと思いつつ、「そろそろ自分のへや戻りな」と言って、修也を部屋に戻るよう促した。
あいつは素直に従って、おやすみと言葉を交わして部屋を出ていった。

ドアの向こうに消えていく後ろ姿を見ながら、先程の会話を思い出す。

―夕香のこと、知ってたのか？

俯きながらそう問うて来たあいつに、私はなるべく自然に返答できただろうか。

あぁ、知っていたとも

どうしようもないこの感情の行き場が分からず、腰かけていたベッドに仰向けで寝転がった。

知っていたとも。知っていたんだよ、修也。

元は私が学校に転校して、サッカー部員を幾人か出場できなくするはずだった。
けれど私は、あの学校に修也が通っていると知っていたから、あいつが所属しているチームにそのような事ができなかったから、それを断った。
変わりの条件として地区大会に参加し、その後海外へ留学したのだ。