ギミーラブ【龍宮寺堅】

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部屋のドアを開けると、家の中は真っ黒だった




龍宮寺君、起きてるわけないよね…




もしかしたらって思ったけど、私の願いは一瞬にしてかき消された




とりあえず彼の近くで寝させてもらおう




そう思いリビングに戻ると、暗い中テレビだけがついていた




あまりにも怖い雰囲気に、私の足はガクガクだった





うそ、、お化けとかでないよね、、？




何でテレビだけついてるんだろう、もしかしたら龍宮寺くん起きてるのかな…？




「龍宮寺君…？」




私は恐る恐る名前を呼んだ




するとまさかの、彼の声が返ってきた




「A？」




っ！！




一気に体の緊張がほぐれていく





「どーした、寝れねえの？」




ゆっくり体を起き上がらせる彼



頼もしさゆえに、いつもの数倍カッコよく見えた





「…うん…」




そう言うと、龍宮寺君は小さく笑った




…最悪だ…絶対怖くて眠れないってバレてる…




しかし彼は、いつもみたいに馬鹿にしてくることはなかった





「…龍宮寺くんも起きてたんだね」



「昼間あんだけ寝たからな」




「なんで電気消してるの？


テレビだけつけるなんて…怖すぎるじゃん…」
　


「そーか？


夜はこんなもんだろ」




こっち来いよ、と言ってソファのスペースを開けてくれた




隣に座り、さほど面白くないバラエティを眺める




「は、くだらねー」




そう言いながらも、彼はちらほら笑っていた




「夜中にもこんなテレビやってるんだね」




「おー、意外と見れるだろ」



　

時刻はすでに3時半




私には完全に未知の世界だった




フワフワして、ちょっと変な感じがすごく心地いい




もうちょっとこの雰囲気を味わっていたかったんだけど、




龍宮寺君といると安心しきってしまったみたいで、すぐに眠気が襲ってきた




コクン、と何度か首が落ちる




その様子を見て、彼は優しく声をかけた



「A、ベット行くか」

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