ギミーラブ【龍宮寺堅】

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「意地悪！！」




私がそう言うと、龍宮寺くんはまためちゃくちゃ笑った




服を着ながらどかっと私の横に座り込む





「お前、まじで面白え」




…そこはせめて可愛いって言って欲しいんだけど




龍宮寺くんは滅多に可愛いと言ってくれなかった




付き合う前、ほんとに一回だけ図書室で言われた気がするんだけど




それすらも気のせいだったのかなって思っちゃう




彼女なんだから、もうちょっと言ってくれてもいいんじゃない？





「…」




気持ちを悟られないように景色を眺めていると、



向こうのほうから大勢の小学生がやってくるのが見えた
　




「子供好きか？」





私がその様子をじーーっと眺めていると彼が問いかけてきた




「うん、好き


ちっちゃいしフワフワしてて可愛いじゃん」
　




「それお前じゃねえか」




え？と聞き返すと彼の手が伸び、私の頬をつねる




「…いひゃい」



　
いや今日何回目だよ




なに？と言いながら、彼の手をベリッと剥がす




彼は別に、とだけ返して草むらに寝転がった




最近、ずっとこうだ




暇さえあればつねったり、突いたりと常にちょっかいをかけてくる

　


それも訳わかんないタイミングで





「龍宮寺くん、かまちょ」




「うるせえ」



.
　


.



.



彼と話し込んでいると、いきなり何かが飛んできた




「！！」


「ッぶねえ！！」



当たる寸前で、彼にグイっと肩を引き寄せられる




飛んできたのはサッカーボールだった




投げたであろう子供たちが、こちらを見てビクビクしていた




「危ねえだろーが」




彼は舌打ちをし、ボールを掴んで立ち上がる




やばい、これは子供達トラウマになっちゃうじゃ…




そう思った私は、咄嗟に彼を止めに入った




「あ、まって龍宮寺くん



私返してくるよ！」



.



.



.



「はい、これボール」

　

私が近づくと、すぐに男の子のうちの一人がやってきた



その男の子は私の目の前に来て、しばらく突っ立っていた



「…」




ん？どうしたんだろう？




ふぅ、と息を吐いたかと思うと手はボールではなく、その下へ向かう




「痛っ！」


　

私は思いっきり胸を鷲掴みにされた




その瞬間ピキ、と彼の頭に青筋が浮かんでいく




「！！


このクソガキ…ッ！！」




遠くからでもわかる彼の形相に、思わず私までヒイ！と言いそうになった




「ごめんなさいっっ！！！」




そう叫び男の子は走っていった

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