44 ページ44
『バイタルよし、と。
顔色もいいね。』
声に出して患者の状態を確認していく。
「いや、まじうちの親父、
頭バコバコ叩いてうざいんだよね〜
先生何か言ってよ〜」
「はいはい、母体に悪いから
イライラしないで、落ち着いて？」
向こうの一角で
先日問題になっていた
17歳妊婦の宮本さん、
そして名取くんのやり取りが聞こえる。
名取くんも、
ちょっとは対応上手になってんじゃん。
その様子を伺いながら、
あと２人の状態確認を終わらせた。
、
、
『、！』
確認を終え、
スタッフステーションに行くと、
藍沢と脳外の新海先生が
２人で何やら話し込んでいた。
その様子が何やら神妙で
ソロリ、ソロリと静かに移動して
パソコンデスクに座り、患者記録をする。
えーっと、
高原さんは、
バイタル安定、呼吸状態良好、
浸出液100cc、、、っと。
『っひゃっ！』
首元にキン、とした冷感を感じた。
「ははは。ごめんごめん、
如月A先生、だよね？
初めまして。脳外科医の新海です。」
はい、と、
首元に当てられたコーヒーを差し出された。
『えっ？あっ、ありがとうございます。
如月です。新海先生のことは存じてます。』
デスクから立ち上がり、挨拶をする。
「そんな堅苦しいのナシナシ。
藍沢と同期なんでしょ？
俺ともそんなもんじゃん。
仲良くしようよ、ね？」
うわ〜この手のタイプも居るんだ、、。
私が苦手な直球タイプ。
反応に困っていると、
「おい、如月。
お前は今日当直だろ？
サボってないで、仕事したらどうだ。」
『えっ？あ、うん。
新海先生、すみません、そういうことで。』
藍沢、ナイス、
今回ばかりは、助かった。
「藍沢先生、やけに執着しますねぇ？
じゃ、今度ご飯でも行こうね？
美味しい所知ってるから。じゃね！
藍沢、さっきの件、そういうことで。
よろしく。」
「あぁ。」
ぺこっ
新海先生に会釈し、
出て行ったのを確認して
パソコン作業を再開する。
早く終わらせて
ちょっとシャワーでも浴びるか。
あと30分で終わらせよっと。
黙々と作業を続ける。
合間にもらったコーヒーを飲もうと
栓を開けながら何気なく横を見る。
『、、え？まだ居たの？』
「、、、。」
私の斜め後ろにある机上に腰掛け、
こっちをじっと見ていた藍沢。
新海先生が帰ってから10分位経ってるけど、
ずっと、そうしてたの？
『、私に何か、用？』
沈黙の空気に我慢出来なくなり、
思わず聞いてみた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マナ - 聞いてもよろしいでしょうか？ (2021年4月10日 16時) (
レス) id: b2e96b20a7 (このIDを非表示/違反報告)
プリン姫(プロフ) - RthmEGMoHssRE1Hさん» 読んで頂きましてありがとうございます。ご要望いただきまして嬉しいです！短編でも出来れば...とも考えているのですが、前向きに考えさせていただきますね！ (2019年5月15日 23時) (レス) id: 9cc564a9cd (このIDを非表示/違反報告)
RthmEGMoHssRE1H(プロフ) - 名取先生、もっとみたいです！ (2019年5月15日 20時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
プリン姫(プロフ) - イチゴ王子さん» ありがとうございます★嬉しいです！今週も気合で書きます！楽しみにしていてください(^○^) (2017年8月9日 21時) (レス) id: 9cc564a9cd (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ王子 - とっても面白いです！続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2017年8月9日 1時) (レス) id: b0474ef046 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プリン姫
| 作成日時：2017年7月23日 18時
